個人でできるウェルビーイングを高める方法②~集中力編~
「人は集中してる時が幸せ」という話をします。
幸せを決める6つの要素の続き(イントロ編、1ポジティブ感情編)です。
「幸せな状態」をウェルビーイングといったりもします。
じゃあ具体的にどうすれば幸せな状態になれるの?というと、ポジティブ心理学では次の6つの要素が必要だと述べてます。
【ウェルビーイングを高める要素】
- 1)ポジティブな感情を高める
- 2)集中力を上げる
- 3)良い人間関係をつくる
- 4)人生の意味を見出す
- 5)達成感を高める
- 6)ネガティブな感情を減らす
前回のポジティブ感情の高め方で話した内容を覚えていますか?
私たちの身の回りには実はポジティブな出来事は起きていて、それに気づくことができるかどうかがポジティブ感情を決めるというものでしたね。
今回は幸せを決める2つ目の要素「集中力」の上げ方についてまとめます。
「幸せと集中力って関係あるの?」と思った方もいるかもしれませんが、実は人って集中してる時が幸せです。
なぜなら集中してる時は余計なことを考えなくなるから。
つまりネガティブなことに意識をもっていかれないので、メンタルが病まずに済みます。
集中してる時間が長いほど人は幸せともいえるね
特にスコア診断で集中力のスコアが低かった人は効果的です。
集中力が一番効果でやすいので、まずはここから上げてみるのをオススメします。
それでは早速具体的な集中力の高め方についてみていきましょう。
集中力を上げる方法
集中力をアップさせる方法は次の4つです。
【集中力を上げる方法】
- 集中力を上げる方法1)呼吸をコントロールする
- 集中力を上げる方法2)スマホを視界から消す
- 集中力を上げる方法3)運動でフロー状態に入る
- 集中力を上げる方法4)自分の強みを活かす
まずは一瞬で集中力を上げれる手軽な方法から。
集中力を上げる方法1)呼吸をコントロールする
『鬼滅の刃』で技を出す前に「全集中の呼吸」とセリフをいうのは有名ですよね。
引用:鬼滅の刃公式サイト
実はこれは漫画の世界で起きてるネタではなく、科学の世界でも呼吸をコントロールすれば集中力を左右できると研究で分かっています。(R)
具体的にどうするかというと、あなたが集中したい作業の前に鼻から大きく息を吸うということをします。
たとえば、
- あと2日で完成させないといけない文章を執筆する前
- 資格勉強で過去問の応用問題を解く前
- 会議で自分がまとめた資料の説明をする前
など、特に集中力が必要なシーンの前に「全集中の呼吸!(鼻から)スゥ~!」と使う。
リラックスしたいときに息を長く吐けば心を落ち着かせられる話は知っている人も多いかもしれませんが、鼻から大きく吸ったら集中力が上がるのは意外な結果ですよね。
ちなみに口から吸うのは?という疑問をもった方もいるかもしれませんが、集中力を上げたいなら鼻から吸ってください。
理由は、嗅覚が脳機能と結びついているとされているからです。
たしかに嗅覚って食べ物が腐ってないかとか、近くで火事になってないかとか、人類が生き延びるために必要な感覚ですよね。
なので、鼻から入った空気が脳を刺激して集中力を上げる効果があるのはイメージとして納得できるように思います。
あなたも全集中したいときに呼吸を使ってみてください。
集中力を上げる方法2)スマホを視界から消す
スマホの吸引力って恐ろしいなと思いませんか?
前回東京で電車に乗った時、ふと周りを見たら97%くらいの人がスマホの画面いじってたんですよね。
「もうスマホチェックがくせになってるんだなみんな。なんだか気が休まらないね。もっとのんびり生きればいいのに」と思いながら視線を戻したんですが、4、5秒くらい経つと自分もポケットからスマホ無意識に取り出してて「うぎゃぁ~~!」と叫びそうになりました笑
無意識って怖いですね。
いつの間にか自分もスマホチェックが習慣化してたのかと思うとやはり意識しないとやめられないんだなと思います。
なかにはお風呂に入る時もふつうにスマホを持ってSNSをチェックする人もいるくらいなので、スマホが持ってる依存性の効果というか、きっと多くの人は常にスマホで確認してないとヤバいみたいな感覚なんでしょうねきっと。(私も含めて)
そんな強力な吸引力を持ってるスマホなので、人は自分の視界にそれが入ってるだけでも集中力を奪うとわかってます。
実際50名の学生を対象にした実験でも、スマホが視界にあるだけで成績が下がったとの結果がでてるので、やはり作業中は極力スマホを近くに置かないでおくのが無難。
スマホがあると集中力をそがれるのは、スマホが人とのコミュニケーションを連想させるからと考えられてます。
人には誰かと繋がりたい欲求があるので、近くにスマホがあると無意識に手が伸びてしまうのでしょう。
もし「自分の視界から見えないところに置いてもスマホを取りにいってしまう!」っていう人は20秒ルールを使うと対処できます。
20秒ルールとは、人は取り掛かるまでに20秒以上かかるものは先延ばしするという傾向のことをいいます。
なのでスマホを開くまでに20秒以上かければいいんです。
例えば電源をオフにして玄関の棚の中にいれておくとか。
そうすれば確実に20秒以上かかるので、「ヤバい!スマホ触りたい!」っていう衝動にかられても実際にスマホを手に持って操作する確率をグッと減らせます。
とにかく勉強とか文章を書くとか集中したい時間だけはスマホは視界に入れない。
それを徹底するだけでも集中力を削られずに済むので、結果的にウェルビーイングを上げれますよ。
集中力を上げる方法3)運動でフロー状態に入る
健康に良いってことで耳にタコができるくらい聞いた運動ですが、集中力を上げるうえでも運動は有効だとわかってます。
運動すればするほどフローって言って、目の前のこと以外は一切考えずに集中できている状態に入りやすくなります。
つまり運動を繰り返しやってれば、仕事や学習でも集中したいときに集中モードに入って没頭しやすくなります。
運動の中でも特にフローに入りやすいスポーツがあって、「ハイキング」「卓球」「水泳」「サイクリング」「ランニング(特に長距離)」などは特に効果的です。(R)
でも必ずこれらのスポーツの中からじゃいけないかというとそうではなく、自分の好きなスポーツがあるなら何でもOKです。
ただスポーツが集中力に良いっていっても、「わざわざ運動する時間を作るのって正直面倒くさいな」と感じる方もいるかもしれません。
その場合は自宅で運動できるステッパーがオススメです。
第二の心臓といわれているふくらはぎも鍛えるので、脳に血液をたくさん送れる。するとダイレクトに脳を活性化させるので、集中力を上げやすくなります。
ちなみに朝起きてだるい時にステッパー踏むと血液を体中にまわせるので眠気対策にも使えます。
「なかなか外に出てスポーツするのは難しいよ」って方はステッパーで対策しましょう。
集中力を上げる方法4)自分の強みを活かす
自分の強みを活かせば没頭できる。
するとウェルビーイングが上がって幸福度が高まるとわかってます。
だから自分の強みを知るのって大事なんですけど、意外に自分の強みを知ってる人って少ないんですよね。
これって非常にもったいなくて、人は自分の強みを知っているだけで950%、強みを活かせば幸福度が1900%もアップすると分かっているからです。(『強みの活かし方』)
さらに驚いたことに、自分の強みを意識して毎日使うと1週間で幸福度がアップして、その後も幸福は上昇したとの実験結果もあります。
活かすだけで20倍も幸福度がアップして、強みを活かした効果が続くならこれはもう自分の強みを知って使うしかないですね笑
じゃあどうすれば自分の強みってわかるの?と疑問に思う方もいると思うので、過去に「24タイプの強み診断」でまとめてます。
まだ診断してない方は1度受けてみるのがオススメです。自分の強みのTOP5がわかります。
ちなみに強みの活かし方についてはこんな感じです。
【自分の強みを活かす例】
- 創造性の強み:「自分の趣味をお金に変える方法ってないかな?」と考えてみる
- 熱意の強み:自分が気に入った本を友達に熱意で伝えてみる
- 親切心の強み:1日1回だれかに親切にすることを習慣にする(知らない人も含めて)
- リーダーシップの強み:社会人サークルを立ち上げて週1回スポーツを開催する
- 自律心の強み:タイムボクシングなどで計画をたてて、決めたタスクの通りに行動する
- 審美眼の強み:道を歩きながら紅葉や花など美しいものを探す
自分の強みを知って使えば没頭できるので自然と集中力が上がります。
もっと詳しく自分の強みを活かしてウェルビーイングを上げたい方は、ライアン・ニーミック博士の『強みの育て方』を参考にしてください。
自分の強みを日常生活でどう活かせばいいか?を具体的にまとめられてます。
いろんな国で翻訳されて世界的にも多くの人に読まれている本なのでオススメです。
集中力を上げる方法まとめ
集中力を上げる方法まとめです。
- 人は集中してる時はネガティブなことを考えない。そのため集中してる時間をできるだけ長くできると良き。
- 集中力が一番上げやすい要素なので、ウェルビーイングを高めたいなら最初に集中力から高めるのがオススメ。
【集中力を上げる方法】
- 集中力を上げる方法1)呼吸をコントロールする
- 集中力を上げる方法2)スマホを視界から消す
- 集中力を上げる方法3)運動でフロー状態に入る
- 集中力を上げる方法4)自分の強みを活かす
特に最後に紹介した「自分の強みを活かす」は超オススメします。
なぜなら自分の強みを活かすだけで幸福度が1900%も上がってコスパ最強だから。
集中力はウェルビーイングの中でも一番上げやすいので、「どれから高めたほうがいいかな?」と迷ったらまずは集中力のスコアからアップさせてください。
人は没頭してるとネガティブなことを考えなくなるので、どれか1つでも構いません。
今回紹介したテクニックを試して、集中力をガンガン上昇させてみてください。
次回はウェルビーイングを高める3つ目の要素、「人間関係」についてみていきます。
良い人間関係が私たちに与える影響って実はめちゃくちゃ大きくて、幸福度を上げるだけじゃなくて寿命が延びるとの結果も出たりします。
ほかにもたくさん友達を持っていても幸せになれないとか、お金を稼いでいる人よりも良い人間関係を築いてる人の方が幸福度が高いとか、研究でわかった新常識についても紹介したいなと思います。
(次回)
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関連記事:集中力と関連して、有料note「高校3年生の自分に教えたかった絶対にやってはいけない勉強法9選」をまとめてます。
今回紹介した方法と合わせて使うとさらに効果的です。1年以内に受験する方は参考になりますのでどうぞ。資格取得や仕事のスキルを覚える時にも使えます。
【参考文献・データ等】
- マーティン・セリグマン『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ』
- ライアン・ニーミック『強みの育て方』
- Ofer Perl et al(2019)“Human non-olfactory cognition phase-locked with inhalation.”
- Montse C. Ruiz et al (2015)“The individual zones of optimal functioning (IZOF) model (1978–2014): Historical overview of its development and use”
【記事執筆】あすか
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