【幸せを決めるPERMA理論】18の質問で分かる幸福度テスト~診断編~

【幸せを決めるPERMA理論】18の質問で分かる幸福度テスト~診断編~

 人生の幸せを決める5つの要素について解説します。

 幸せな状態のことをウェルビーイングといいます。

 ポジティブ心理学で有名なマーティン・セリグマン博士は、次の5つの要素を満たすことができればこのウェルビーイングを高めることができると定義しました。

幸せ(ウェルビーイング)を決める5つの要素

  • ポジティブな感情Positive emotion)ネガティブな出来事に対して、ポジティブな側面を見つけることができるか。
  • エンゲージメントEngagement)没頭できることがあるかどうか。
  • 人間関係Relationship)周囲の人と良いコミュニケーションが取れているか。
  • 意味や意義Meaning)人生に対して自分なりの意味や意義を見出しているか。
  • 達成Accomplishment)どんなに退屈な仕事であっても、毎日の小さな進歩を感じることができるか。
【図解】PERMA理論:ウェルビーイングを高める5つの要素(ポジティブな感情、エンゲージメント、人間関係、意味や意義、達成)
筆者作成【図解】PERMA理論:ウェルビーイングを高める5つの要素

 この5つの言葉の頭文字をとって、PERMA(パーマ)と呼ばれています。

 つまり幸せな人というのは、ポジティブ感情が高く、何かに没頭しており、人間関係が良好で、人生の意味や意義を見出し、進歩を感じている人ということですね。

 PERMAは、幸福論のなかで最もよく認められている説で、いま幸せな人生を送っている人は、この5つの特徴が強いことが知られています。

 さらに、この5つの要素が高い人ほど

  • 仕事のパフォーマンスが上がる
  • 自分が立てた目標の達成率があがる
  • 忍耐力が高まる
  • ビジネスで成功する確率が上昇する
  • 長期的な計画に取り組むことができる

 などのメリットがあることも研究でわかっています。

 さて、この人生の幸福度を決めるPERMAですが、診断して数値化することができます。(論文:The PERMA-Profiler

 つまり「自分はいまどのくらい幸せなんだろう?」と漠然としたものが、具体的なスコアでわかるということです。

 なんとも素晴らしいツールですね。

 これから紹介する幸福度診断は、18問の質問に対してそれぞれ10点満点で採点します。

 採点してみるとわかりますが、点数が低いものが意外と出てきます。

 幸せになるために自分に何が足りてないか知っておくと何かと便利なので、まずは自分のPERMA(パーマ)のスコアがどれくらいかテストしてみましょう

18の質問でわかる幸福度診断

引用元:O-DAN

 では、さっそくPERMA(パーマ)を基にした幸福度診断をやっていきます。(引用元:The PERMA-Profiler

 全部で18問あります。

 直感でいいので、それぞれ10点満点で採点してみてください。

【18の質問でわかる幸福度診断】

※次の1~18の質問に10点満点で評価する。

1 あなたは、目標達成に向けてどれくらい進んでいると感じますか?

2 あなたは、自分のやっていることに夢中になることがどのくらいありますか?

3 あなたは、どのくらいの頻度で楽しいと感じますか?

4 あなたは、どのくらいの頻度で不安だと感じますか?

5 あなたは、自分で設定した重要な目標をどのくらいの頻度で達成しますか?

6 あなたは、どの程度まで目的をもって行動し、有意義な人生を送っていますか?

7 あなたは、困っている時に他人からどのくらい助けやサポートを受けられますか?

8 あなたは、自分の行っている目標にどのくらい価値があると感じていますか?

9 あなたは、自分が行っている目標にどのくらいワクワクし、興味を感じていますか?

10 あなたは、どのくらいの頻度でポジティブな気持ちになりますか?

11 あなたは、どのくらいの頻度でイライラを感じますか?

12 あなたは、どのくらいの頻度で自分の責任を果たすことができていますか?

13 あなたは、どのくらいの頻度で悲しい気持ちになりますか?

14 あなたは、目標に取り組んでいるときに時間を忘れてしまうことがどのくらいありますか?

15 あなたは、どのくらい周りから愛されていると感じますか?

16 あなたは、自分の人生の方向性がどのくらい定まっていると感じますか?

17 あなたは、自分の人間関係にどのくらい満足していますか?

18 あなたは、自分の人生にどの程度満足していると感じますか?

 採点が終わったら、次のように項目の平均値を出します。

  • ポジティブな感情=3、10、18の平均を出す
  • エンゲージメント=2、9、14の平均を出す
  • 人間関係=7、15、17の平均を出す
  • 意味=6、8、16の平均を出す
  • 達成=1、5、12の平均を出す
  • 総合幸福度=1、2、3、5、6、7,8、9、10、12、14、15、16、17、18の平均を出す
  • ネガティブな感情=4、11、13の平均を出す

 この結果から、自分が取り組んでいる目標について、どの要素が足りていないのか判断します。

【PERMA】幸福度診断結果まとめ

 今回の幸福度診断について約30,000人を対象にした調査では、次のような結果となっています。

【表】PERMA理論:幸福度診断結果まとめ(ポジティブな感情、エンゲージメント、人間関係、意味や意義、達成、総合幸福度、ネガティブな感情、健康)
筆者作成【引用元】Butler, J., & Kern, M. L. (2016). The PERMA-Profiler: A brief multidimensional measure of flourishing.

 総合幸福度の平均が7.02となっているため、7点以下の項目があれば注意が必要です。

 ネガティブな感情については、平均が4.46となっているため、4.5以上だと注意が必要と考えていいでしょう。

 幸福度は、25歳の平均は全体的に低く、50歳、75歳と年齢を重ねるごとに上がっているので、基本的に人生の幸福度は年の功みたいな印象です。

 ただ、PEARMのスコアは、トレーニング次第で高めることができます

まとめ:PERMAのスコアは高められる

引用元:O-DAN

 目標を達成することについては、辛いことに耐えるよりも、PEARMの要素を高めていくのが大事になります。

 私たちは物事を達成するから幸せになるわけではなく、幸せな状態だから目標を達成できるからです。

 例えば、あなたが資格の取得を目指しているとします。

 このとき、ひたすら勉強する時間に耐えるより、どうやってポジティブな感情を高められるか、没頭できるのかを先に考えます。

 自分が幸せになる状態を作ってから物事に取り組んだ方が、結果的にパフォーマンスが上がるためです。

 今回あなたがPERMAの幸福度診断を受けてみて、点数が低いものがいくつか出てきたと思います。

 これは普段わたしたちが、ポジティブな感情(P)とかエンゲージメント(E)について意識することがないからです。

 逆に言えば、意識して高めれば幸福度を上げることができます

 そこで次回は、PEARMを高める方法について詳しく解説していきたいと思います。

【参考文献・データ等】

Butler, J., & Kern, M. L. (2016). The PERMA-Profiler: A brief multidimensional measure of flourishing. International Journal of Wellbeing, 6(3), 1-48. doi:10.5502/ijw.v6i3.526

マーティン・セリグマン『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ

キャロライン・アダムス・ミラー『実践版GRIT やり抜く力を手に入れる

【記事執筆】あすか

【Twitter】:https://twitter.com/askalabo