個人でできるウェルビーイングを高める方法⑤~達成感編~
幸せを決める6つの要素の続き(イントロ編、1ポジティブ感情編、2集中力編、3人間関係編、4人生の意味編)です。
今回は「達成感」です。
この5つ目の達成感をクリアすれば、幸せを増やす要素はコンプリートしたことになります。
ここでいう「達成」というのは、競争社会に勝つとかナンバーワンになるとかそういうものではありません。
自分なりに立てた目標に対して、達成を目指していくことをいいます。
そのため
- SNSで「いいね」をたくさんもらう
とか、
- 年収1,000万円を達成する
みたいな中身のない目標は、いくらそれが結果になったとしても達成感を感じることはできません。
目標を決めるときは、自分のモチベーションが自然と高まるような設定にするのが大事になっていきます。
じゃあどうすれば達成感って高まるの?と疑問に思った方もいると思うので、今回は具体的な達成感の高め方について3つ紹介します。
達成感の高め方
達成感の高め方は次の3つです。
【達成感の高め方】
- 達成感の高め方①小さな目標をたくさん作る
- 達成感の高め方②早い時期に小さく始める
- 達成感の高め方③進歩を目に見える形にする
この達成感を感じるための重要なポイントは何か?
結論から言うと「前に進んでいるという感覚」が大事です。
少しずつでも、「自分は前進しているんだ!」という手応えを感じることができれば、高い目標があっても歩き続けることができます。
逆に言えば、最初から高い目標を目指すと途中で挫折します。
よく成功している人とか仕事で上手くいった人を見ると、
「この人は才能があるんだな」
「一気に成果が伸びて達成したんだな」
と思ったりますよね。
ですが、実際には地道にコツコツ努力を続けてきた人がほとんどです。
少しずつでもいいので結果を出して、小さな成功を積み重ねていくことが達成感や幸福感を高めるうえで大事になっていきます。
それを可能にするのが、これから紹介する3つの方法です。
順にみていきましょう。
達成感の高め方①小さな目標をたくさん作る
達成感って目標が大きければ大きいほど感じると思いますよね。
でも実際には逆だというのはご存じでしたか?
スモールゴールをたくさん作ったほうが効果的だと研究でわかっています。
実際、バーゼル大学が4年間にわたって男女937人を対象にした目標に関する研究では、
- 「人の幸福度は、達成できそうな目標を多く持っているほど高くなる」(R)
と明らかにしてます。
これは、小さなゴールをたくさん達成することによって、私たちに自己コントロール感を与えるためだとされています。
だから大きな目標を設定するだけではなく、その目標を達成するまでの小さなゴールを間にたくさん作る。
すると、「自分は前に進んでいる感覚」が手に入るので、日々達成感を感じて幸せになりやすくなります。
例えば、
- 月420分瞑想する→1日15分瞑想する
- 年間50冊本を読む→1週間で本を1冊読む
- 英語の論文が読めるようになる→1日10単語覚える
みたいな感じです。
たしかに
「よし!年間50冊読破したぞ!」
と1年に1回思うより、
「1冊読破できた!」
を50回繰り返したほうが同じ量でも達成感を感じやすい気がしますよね。
自分が達成しやすい小さな目標を階段のようにつくっていけば、無理なく一つひとつ登ることができます。
最終的な目標も達成しやすくなるし、幸福度アップにも繋がります。
今日からでもできるテクニックなので、ぜひ試してみてください。
達成感の高め方②早い時期に小さく始める
主に仕事で閊えるテクニックです。
「早い時期に小さく」というのは、できるだけ早い時期に始めて、軽い負担で終わらせることをいいます。
イメージとしてはランニングする前の軽い準備運動みたいな感じです。
いきなり走り始めると身体に負荷がかかりますが、走る前にストレッチしておけば走る時のダメージを減らせる。
仕事も同じ。
例えば、
- 記事を書く前に、キーワードだけサッとメモしておく
- 3か月後の出張日について、旅費がいくらかかるかアプリを使って調べてみる
- 半年後のプレゼン発表について、3分だけ思いついたアイデアを書き留めておく
みたいに、ちょっとだけ手をつける。
こんな感じで、自分がいま抱えている目標や締め切りを思い浮かべてみて、
「今すぐできるかんたんな準備は何か?」
と考えて実践すると、達成感を感じやすくなります。(R)
これは精神的な負担も軽くなるのでお勧めです。
ただし、長く時間をとりすぎるのはNG。
なぜなら2時間3時間とかガッツリ準備するとかえって負担になってしまうから。
少しでもいいから、自分はやるべき作業に早めにスタートしようという気持ちで小さく始めると良きです。
達成感の高め方③進歩を目に見える形にする
最初のほうで「前に進んでいるという感覚」が達成感を感じさせると話したのを覚えていますか?
これを視覚化しよう!というのが「進歩を目に見える形にする」という方法です。(R)
あなたが小学生のとき、目標達成のためのすごろくシートのようなものを使ったことはないでしょうか?
- 1ページ勉強したら1つシールを貼る
- 音読が終わったらスタンプを押す
みたいに、だんだんとゴールに近づくのが見えてワクワクした経験があったと思います。
これ、実は大人になっても同じなんです。
自分がゴールに近づいていくのと、私たちはうれしいと感じます。
なので、あなたが今もっている目標を見える化して、日々の小さな進歩を評価すると効果的です。
見える化する方法は自分にあったやり方であれば何でもOK。
たとえば
- 資格の勉強を1ページするごとに1枚シールを貼る
- 瞑想を15分したらエクセルに記録する
- 7時間30分以上睡眠とれたら、1回ごとにスタンプをつける
みたいな感じです。
10個シールが溜まったら漫画1冊買うとか自分なりにご褒美つけるともっと効果がでて、楽しく続けられます。
つまり小さな達成を繰り返し感じながら進んでいけば、最初から大きな目標を立てるよりも、遠くまで歩くことができます。
ぜひお試しあれ。
達成感の高め方まとめ
達成感の高め方のまとめです。
- 達成感は、ウェルビーイング(幸福度)を高める5つ目の要素。
- 達成とは、自分なりに立てた目標に対して、達成を目指していくことをいう。競争社会に勝つとかではない。
- 人は「自分は前に進んでいる感覚」が得られると達成感を感じて幸せになる。
【達成感の高め方】
- 達成感の高め方①小さな目標をたくさん作る
- 達成感の高め方②早い時期に小さく始める
- 達成感の高め方③進歩を目に見える形にする
人は成長したい生き物です。
そのため
- 「自分は昨日の自分より成長しているなぁ」
- 「ゴールに向かって進んでいるなぁ」
という感覚をどれだけ感じられるかが私たちの幸福度を決めます。
目標までの道のりを苦しみながらするとキツイ。
でもその過程を楽しむことができれば、充実した人生に変えることができます。
今回の達成編は比較的実践しやすいテクニックだったかなと思うので、ぜひ取り組んでみてください。
さて、次回でいよいよ幸せを決める6つの要素最後になります。
最終章は「ネガティブ感情編」です。
私たちは、ネガティブ感情が高まると、視野が狭まってパフォーマンスが落ちてしまします。
もちろんメンタルに与える影響もヤバい。
でもネガティブな感情を減らせば、相対的にポジティブな感情や集中力も上げることができます。
なので次回は、ネガティブな感情に捉われない方法について紹介しますね。
それではまた!
(次回)
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【参考文献・データ等】
- マーティン・セリグマン『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ』
- テレサ M. アマビール ,スティーブン・クレイマー『幸せを得るには、「小さな成功」を積み重ねること』ハーバード・ビジネス・レビュー
- グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』
- JANINA LARISSA BÜHLER, REBEKKA WEIDMANN , JANA NIKITIN and ALEXANDER GROBA (2019)Closer Look at Life Goals Across Adulthood: Applying a Developmental Perspective to Content, Dynamics, and Outcomes of Goal Importance and Goal Attainability.
【記事執筆】あすか
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