個人でできるウェルビーイングを高める方法①~ポジティブ感情編~

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個人でできるウェルビーイングを高める方法①~ポジティブ感情編~

 ポジティブな感情を上げるには夢をあきらめるのが大事、などちょっと変わったポジティブ感情の高め方について紹介します。

 ウェルビーイングシリーズの続き(イントロ編)です。

 前回紹介した、人が幸せになるために必要な6つの要素って覚えてますか?

 もう一度要点だけまとめると、

【ウェルビーイングを高める要素】

  • 1)ポジティブな感情を高める
  • 2)集中力を上げる
  • 3)良い人間関係をつくる
  • 4)人生の意味を見出す
  • 5)達成感を高める
  • 6)ネガティブな感情を減らす

 という感じになります。

 ウェルビーイングというのは日本語なら「よい状態」とか訳されてなんか凄いざっくりしてるんですけど、「自分にとって幸せな状態」と置きかえてもいいですね。

 今回は幸せを感じる1つ目の要素、ポジティブ感情の高め方について具体的に紹介します。

筆者作成:ウェルビーイングを高める方法(参考)マーティン・セリグマンポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ

 というのも、人ってポジティブな感情よりもネガティブな感情にすぐ飲み込まれやすいんですよね。

 ポジティブ感情を高める方法を知ってると、自分にとってプラスになる点をたくさん見つけられるようになります。

 イントロ編で紹介したウェルビーイングスコア診断でポジティブ感情が低かった人がすると特に効果的です。

 自分のスコアを知っておくと何が自分に足りないのかわかって便利なので、「まだ診断受けてないよ」という方はこちらで先にテストしておくとオススメです。

 5分くらいで終わります。

 →ウェルビーイングスコア診断を受ける

 それではポジティブ感情の高め方について具体的に見ていきましょう。

 ポジティブ感情を高める方法は次の4つです。

【ポジティブ感情を高める方法】

  • 1)自分の夢をあきらめる
  • 2)寝る前にポジティブな出来事を3つ書き出す
  • 3)とにかく感謝を伝えまくる
  • 4)ポジティブな出来事を強調する

 全部やるってなると大変なので、どれか1つ選んで無理なく続けるのをオススメします。

 「え?!ポジティブな感情を高めるなら夢をあきらめるのが大事なの?」と驚いた方もいるかもしれません。

 「あきらめる」っていうとネガティブなイメージを持っている人も多いと思いますが、自分の夢をあきらめて修正できた方が実はポジティブな感情って高まります。

 あきらめたことでまた新しい道が生まれて、かえって可能性が広がる。

 実際、自分の夢をあきらめて新しい目標に再び取り組んだ人は、ポジティブ感情が上がり、人生の満足度も高いとわかっています。(R)

 ふつう目標に向かって真面目にコツコツ頑張る人ってなんかカッコイイ印象はありますよね。

 でもたしかに子供の頃から医者を目指して、友達と遊んだり恋愛もせずずっと毎日10時間勉強する!っていう人が、何年も医学部受からないとか浪人するとかなったら確かにきついかな…と思ったりもします。

 1つの目標だけをずっと追いかけるよりも、

 「これまでずっと医者目指したけど、それ以外にも何か自分が向いてることって他にないかな?そういえば自分は文章書くのが好きだったな。なにか文章を活かした仕事探してみよう」

 と柔軟にいろいろ方向転換できる人のほうが、ポジティブ感情は高いですよね。

 ちなみにあのマンガの神様って言われてる手塚治虫はもともと医者でしたが、医者を続ける道をあきらめて漫画家にシフトしたからうまくいった一人です。

 仕事を変えたらうまくいくって意味でも、あきらめるのも大事な能力なのかなと思いますね。

 旅行したとか楽しかった思い出は忘れるのに、10年以上前の嫌な出来事は今でも覚えてたりしませんか?

 理由は、人はポジティブな出来事よりもネガティブな体験の方が記憶に残りやすくできているからです。

 本当は1日の間にポジティブな出来事はたくさんあったのに、ネガティブな印象が強すぎるせいで家に帰ってもイライラしたりする。

 そのためネガティブな出来事について考えることに多くの時間を費やしてしまう。

 これは不安や抑うつを招くきっかけにもなるので問題です。

 対策としては、毎晩寝る前に「今日のポジティブな出来事は何かな?」と考えて最低でも3つ書き出してみることです。

 記録はスマホでも日記でもなんでもOK。

 書く内容は日常で起きたちょっとしたことで構いません。

  • 朝少し早起きできてコーヒー1杯をゆっくり味わうことができた
  • 出張のおみやげで東京バナナクッキーを職場の人からもらった
  • ちょうど洗剤が切れたタイミングで詰め替え用洗剤が届いた

 とか今日あったささいなポジティブな出来事を思い出して記録します。

 全然思いつかなかったら

 「料理で卵をパカッって割ったら黄身と白身だけがきれいにでて殻とか混ざらなくてマジでよかったナ」

 とかマニアックなものでもいい。

 とにかくあなたが今日を振り返って「あぁ、そういえばあれ良かったなぁ」って感じれるものを書いていきます。

 慣れてきたら、どうしてこのポジティブな出来事が起きたのか?と理由を書くともっと効果的ですね。

 やってみるとわかりますが、「意外に良かったことって1日でいっぱいあったんだな」って気づきます。

 昔流行った曲で「ロード」の「なんでもないようなことがぁ~幸せだったとおもーうぅ~」じゃないですけど、ちょっとした幸せは意識しないと見えてこないものです。

 こんな感じで、「寝る前にポジティブな出来事を3つ以上書き出す」を続けてれば自然とポジティブ感情が上がります。

 するとウェルビーイングも高まるので、習慣としてやっておいて損はないかなと。

 ちなみに紙に書きだすのが面倒なら、少し効果は落ちますが頭の中でポジティブな出来事を思い出すでもOKです。

 あのアインシュタインの名言の一つに

「私は、1日100回は、自分に言い聞かせます。わたしの精神的ならびに物質的生活は、他者の労働の上に成り立っているということを」

 という感謝の名言があります。

 「毎日100回も感謝してるってどんだけ感謝するねん!笑」ってツッコミたくなる人もいるかもしれませんが、心理学的に見ても感謝の効果は絶大です。

 というのも、人は感謝の気持ちを表に出すとウェルビーイングが上がるとわかっているから。

 なので感謝できる何かを見つけたら「ありがとう」と言いまくりましょう。

  • コンビニで買ったデザート半分も自分に分けてくれてありがとう
  • 仕事に行くついでにゴミ出してくれてありがとう
  • 椅子の上に置き忘れた飲みかけのペットボトル届けてくれてありがとう

 って言葉にして伝える。

 するとポジティブな感情をアップできます。

 人と会わない日だったら、階段についてる手すりとかでもいい。

 「階段上るとき手すりがついててありがたい」って言う。

 ただこれ街中でやると「あの人…手すりに向かってありがとうって言ってる!」と不審者扱いされて通報されかねないので、周りに人がいて直接声に出すのが難しければ心の中でつぶやくでもOKです。

 もう毎日をアインシュタインなみに感謝しながら生きる。

 すると人は日常的にポジティブな面に意識を向けるようになるので自然とウェルビーイングを高めることができます。

 ちなみに感謝については強みを活かすシリーズで「感謝の活かし方」でまとめてるので、もっと具体的な方法を知りたい方はこちらを参考までにどうぞ。

 マンガとかを読んでいるとたまに強調線が引かれているのを見たことがありませんか?

 これは何か特定のものを目立たせたり、重要なものとしてアピールするために使われますが、ポジティブな出来事にもそれを使うと効果的です。

 つまり何かあなたに良いことがあったら、その事実をなんらかの形で強調します。

 たとえば、

  • 2年間やろうと思ってほったらかしにしてた積み立てNISAをついにスタートできたから、今日はチョコレートでも買って帰ろう!

 とか

  • なんかここ最近ずっと定時までに仕事終わってて気分いいから、平日だけど映画でも観よう!

 とか、いろんなやり方があると思いますが、とにかく記憶に残るような形でポジティブな出来事にもっと光を当てます。

 実際に研究によれば、ポジティブな出来事を強調するとさらにポジティブ感情は高まり、結果的にウェルビーイングも上がると明らかになってます。(R

 もしあなたのシーンで目立たせたい部分があったら、どこに強調線を引くか?目立たせるか?を考えて行動するとベストです。

 最後にちょっとした小話。

 多くの人が目の前に起きた幸せに気付かないことがわかる例として、人は目の前にお金があっても気づかないっていうちょっと面白い研究を紹介します。

 ウェスタン・ワシントン大学が学生たちを対象に行った実験です。(R

 研究チームは、以下の手順で実験を行いました。

  • 1 地面から約175センチの高さの木の枝に、1ドル札を3枚挟む
  • 2 木の下を通った学生が、お札の存在に気付くか調べる

 自分と同じくらいの高さの木の下を通るので、よほどよそ見をして歩かない限り、お札は目に入ります。

 視界に必ずお札が入った状況で、学生たちが金のなる木に気づけるかを確かめました。

 普通に考えて目の前にお札がぶら下がってたら気づきそうですよね。

 でも実際に目の前のお札に気づいた学生はたったの19%だったのです!

筆者作成「金のなる木にどれだけ気づく?」【参考】Hyman, I. E., Jr., Sarb, B. A., & Wise-Swanson, B.M (2014) Failure to see money on a tree: inattentional blindness for objects that guided behavior.

 学生が歩きスマホをしていた場合は、さらに6%にまで下がりました…!

 少なくとも約8割の学生は、目の前にお札(幸運)があるのに、金のなる木をスルー。

 私たちは幸せな人を見ると「あの人は運が良かったんだ」って言ったりしますけど、実際には目の前にあったチャンスに気づかなかっただけ。

 だからこそ、私たちは普段からポジティブなところはないか?と意識する必要があるんですね。

 ポジティブ感情を高める方法まとめです。

  • ポジティブ感情は、ウェルビーイングを高めるうえで必要な要素の1つ
筆者作成:ウェルビーイングを高める方法(参考)マーティン・セリグマンポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ
  • ポジティブな出来事は身近に起きているが多くの人は気づかない。そのためポジティブな場面に気づいてポジティブ感情を高めておくのが大事

【ポジティブ感情を高める方法】

 ポジティブな感情を高めるというのは決して陽キャになることではありません。

 悲しいのに無理やり笑うとかではない。むしろかえってネガティブになります。

 本当のポジティブとは、自分の身の回りに起きているポジティブな出来事に気づくことです。

 たとえネガティブな状況であっても、ポジティブな側面も見つめる。

 何でもないような変わらない1日だと感じたとしても、たとえば「今日のポジティブな出来事3つって何だったかな」と小さなことでもいいので考えてみる。

 すると、意外に自分に起きていたポジティブな場面が多くあったことに気づけるので自然とポジティブな感情が高まります。

 ポジティブ感情を高めれば、目の前の幸せにどんどん気づいてウェルビーイングを上げれます。

 ぜひ今回紹介したポジティブ感情を高める方法を実践して、ウェルビーイングを高めみてください。

 次回はウェルビーイングを高める2つ目の要素「集中力」について解説します。

筆者作成:ウェルビーイングを高める方法(参考)マーティン・セリグマンポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ

 実は人って集中してるときが幸せです。

 理由は余計なことを考えないから。

 なので次のシリーズでどうすればあっという間に時間が過ぎていった感覚を持てるか?について詳しく紹介したいなと思います。

次回

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関連記事:ポジティブ感情を高める方法と関連して、有料note「年収350万の人が年収1億円の人よりも幸せになれるお金の使い方」をこちらで書いてます。知っていれば一生モノの使える知識になります。上手にお金を使える人になりたい方はどうぞ↓

どうしてポジティブなことよりネガティブなことの方が記憶に残っちゃうの?

ネガティブなことを強く覚えるのは、原始時代からの本能だとされています。

この場所は危ないとか、食べ物がとれないとかの情報を覚えてたほうが生き残りやすかったからです。

でも今の時代はスーパーに行けば手に入るので、ネガティブな記憶を強く残す必要なんてあまりないんですよね。

だから意識してポジティブなことを考えるスキルが必要になっていきます。

【記事執筆】あすか

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