【21の質問でわかる】日本語版ジョブクラフティング尺度~アクションプランの成果を知ろう~
「日本語版ジョブクラフティング尺度」について紹介します。
「ジョブクラフティング尺度」というのは、自分が立てたアクションプランの成果が出たかわかる診断のことをいいます。
アクションプランは、今の仕事を好きに変える「ジョブクラフティング」のやり方~4ステップ解説~で紹介したもので、
自分の価値観にあてはまった行動(アクション)をすれば、
- 今の仕事を好きになり、やりがいを見出す
- 結果、仕事のモチベーションを高めることができる
というものです。
このジョブクラフティングですが、一度実行すればおわりではありません。
定期的に、自分で立てたアクションプランがやりがいにつながっているのかを確かめて、修正が必要であれば変えていく必要があります。
その修正が必要かどうかの判断に使えるのがこの「日本語版ジョブクラフティング尺度」(R)です。
これは、慶応義塾大学の島津明人教授が、欧米で使われているテストを日本人用にしたもので、
あなたがジョブクラフティングがどれだけ正しく実践できているかを数値化することができるものです。
2016年に日本の労働者972人を対象にした調査(R)でも、これを使えば「ジョブクラフティング」がどれだけ上手くいったかを正確に判断できるとの結果が出ています。
今回はそのとても心強いツールである「日本語版ジョブクラフティング尺度」を紹介したいと思います。
21の質問でわかるジョブクラフティング尺度

それでは実際に、あなたの「やりがい」を正しく高めるための方法「ジョブクラフティング尺度」をやってみましょう。(R)
正確にはかるために、紙とペンを用意してください。
21問の質問で構成されています。
あなたの職場での過ごし方をふりかえってみて、よく当てはまるなら5点、まったく当てはまらないなら1点の5点満点で採点してみてください。
【21の質問でわかるジョブクラフティング尺度】
- 1 私は、自分の能力を伸ばすようにしている。
- 2 私は、自分自身の専門性を高めようとしている。
- 3 私は、仕事で新しいことを学ぶようにしている。
- 4 私は、自分の能力を最大限に生かせるように心がけている。
- 5 私は、自分の仕事のやり方を自分自身で決めている。
- 6 私は、仕事で思考力が消耗しすぎないようにしている。
- 7 私は、自分の仕事で感情的に張りつめないように心がけている。
- 8 私は、自分の感情を乱すような問題を抱えている人との関わりをできるだけ減らすように自分の仕事に取り組んでいる。
- 9 私は、非現実的な要求をしてくる人とのかかわりをできるだけ減らすように自分の仕事を調整している。
- 10 私は、困難な決断をたくさんしなくてもいいように自分の仕事を調整している。
- 11 私は、一度に長時間にわたって集中しなくてもいいように自分の仕事を調整している。
- 12 私は、上司に自分を指導してくれるように求めている。
- 13 私は、上司が私の仕事に満足しているかどうか尋ねている。
- 14 私は、上司に仕事で触発される機会を求めている。
- 15 私は、仕事の成果に対するフィードバックを他者に求めている。
- 16 私は、同僚に助言を求めている。
- 17 面白そうな企画があるときには,積極的にプロジェクトメンバーとして立候補している。
- 18 仕事で新しい発展があれば,いち早くそれを調べ、自ら試している。
- 19 今の仕事であまりやることがないときは,新しいプロジェクトを始めるチャンスととらえている。
- 20 私は、金銭的な報酬が追加されなくても、自分に課された以上の仕事を率先してこなしている。
- 21 私は、職務の様々な側面のつながりをよく考えながら、自分の仕事がさらに挑戦しがいのあるようにしている。
採点がおわったら、次の4つのグループの平均スコアを出します。
それぞれのグループのスコアは、次のような要素を表しています。
- 1~5の平均スコア=自分の能力やスキルを高め、活かそうとしているか。
- 6~11の平均スコア=ネガティブな状況や感情をどれだけ減らせているか。
- 12~16の平均スコア=職場の人たちと良い人間関係を築くことができているか。
- 17~21の平均スコア=困難な仕事にも積極的に取り組むことができているか。
それぞれの平均スコアをみて、
- 自分がいまの仕事を好きになれないのは、何が足りないからなのか?
- やりがいをもっと高めるためには、何が必要なのか?
- 仕事がつまらないと感じるのは、何が原因なのか?
などと考えてみると効果的です。
ぜひ参考にしてみてください。
日本人のジョブクラフティング尺度結果まとめ

ちなみに、日本人の平均スコアは、上図のようになっています。
自分の能力やスキルを高めるのはできてるけど、職場の人たちとうまく人間関係をつくるのはちょっと苦手…というような人が多い感じですね。
人間関係をよくするための方法については、以下の記事などが参考になるので、ぜひ合わせて読んでみるといいと思います。
ジョブクラフティング尺度は、3、4ヶ月ごととか、新しい仕事をはじめたなどに定期的にすると、自分に何が足りてないのか、改善点が見えるのでおすすめです。
ぜひ定期的に診断してみてください。
【参考文献・データ等】
- 鈴木裕『4021の研究データが導き出す 科学的な適職』
- 慶応義塾大学島津明人教授「日本語版ジョブクラフティング尺度」
- Hisashi Eguchi, Akihito Shimazu, Arnold B. Bakker , Maria Tims , Kimika Kamiyama , Yujiro Hara , Katsuyuki Namba , Akiomi Inoue , Masakatsu Ono, Norito Kawakami (2016) Validation of the Japanese version of the job crafting scale.
【記事執筆】あすか
【Twitter】:https://twitter.com/askalabo