通勤時間の効果的な使い方TOP5ーUCLAのMBA教授キャシー・ホームズの研究を紹介ー
時間の使い方を専門にしているUCLAのMBA教授キャシー・ホームズが近年、
『「人生が充実する」時間のつかい方』のなかで「通勤時間の効果的な使い方」を出してくれていたので、今回はその中から5つピックアップして紹介したいと思います。
というのも、実は僕らが1日のなかで消費している時間のなかで、通勤に占める時間は意外に多く、
令和3年度の総務省統計局のデータを見てみると、日本人の平均通勤時間は1日1時間7分となっています。(R)
海外に目を向けてみても同じような現象がみられていて、例えばアメリカ人の場合、毎日の通勤で平均往復1時間を通勤時間に使っています。(R)
日本人の場合、土日祝休みの人で考えても、少なくとも1年で270時間くらいは移動に使っている計算になります。
「なんだかもったいなぁ」という感じですね。
実際、「通勤時間は1日のなかで最も楽しくない活動」であるとの結果が出た研究もあるくらいです(R)
逆にいえば、この通勤時間をうまく過ごすことができれば自分にとってかなり有意義な時間に変えることができます。
そこで今回は、通勤時間の効果的な使い方TOP5を紹介したいと思います。
ランキングは筆者の独断で決めています。
人によってTOP5は変わると思うので、自分にとって重要だと思うのがあればそれを1番に優先してもらっても構いません。
それでは、通勤時間の効果的な使い方第5位から紹介していきます。
通勤時間の効果的な使い方TOP5
第5位「外国語を学ぶ」

通勤時間の効果的な使い方第5位は「外国語を学ぶ」です。
うすうす感じている人は多いかもしれませんが、今の日本では稼ぐことはだんだん難しくなってきています。
かつて日本が世界でトップクラスの経済大国とされていたバブルの時代は、お金を稼ぐために海外へ出る必要はなかったのですが、
現在の日本は経済が停滞してしまって、いくら働いても給料は上がりません。
さらに少子化も進んでいるので、今後消費者もどんどん減っていきます。
そうなってくると、もう現状維持で精一杯です。
そのため今のうちに日本よりも賃金の高い海外へ行こうということで、日本人の海外への移住者が年々増えてきています。(R)
今後の日本経済に見切りをつけて、海外で働くという選択肢をもつことも不自然ではなくなっています。
そこで通勤時間を利用して、英会話アプリなどで外国語を学んで、話せるようになっておくのもいいかもしれません。
現代人の通勤時間は1日平均1時間程度なので、半年から1年も続ければある程度の会話や話している言葉の内容を理解できるはずです。
もちろん外国語を学ぶ理由は仕事のためでなくてもOKです。
海外旅行したときにいろんな人とコミュニケーションをとりたいとか、外国の映画やドラマを字幕なしでみたいとか色々あると思います。
自分なりの理由をみつけて、通勤時間に外国語のスキルをみにつけるのもいいでしょう。
第4位「メールを全て返信する」

通勤時間の効果的な使い方第4位は「メールを全て返信する」です。
自分たちは、何か作業している途中でもつい気になってメールをチェックしてしまいます。
人はマルチタスクになると能力や集中力が下がるので、できるだけ1日の間でメールをチェックする頻度は減らしたいところです。
そこでお勧めなのが、会社や自宅に到着したらメールに時間を費やさなくてもすむよう、移動時間に受信トレイをきれいにしてしまうことです。
仕事ができる人の1日メールのチェック回数は3回以下とされています。
なので行きの移動時間、帰りの移動時間に返せば、メールのチェックをたった2回におさえることができます。
逆にいえば、移動時間以外はメールのチェックをしないと決めておく必要があります。
もし何度もメールのやりとりしてしまう人は、1回の送信で全ての情報を入れて送るようにすると無駄な頻度を減らすことができます。
電車での移動中に全てのメールを返信すれば、すっきりとした頭で帰宅することができます。
精神衛生的にも楽ですし、日中のパフォーマンスも上がるので、ぜひ取り入れてみてはどうでしょうか。
第3位「日記を書く」

通勤時間の効果的な使い方第3位は「日記を書く」です。
さすがに歩きながらはできないですが、バスや電車通勤の人は降りるまでに書くことができます。
日記の内容についてですが、おススメは自分の悩みを書くことです。
僕らは日々いろんな悩みを抱えているのですが、ふりかえってみると大した悩みではなかったり、「そういえばあの時あんな悩みがあったな」と共感したりします。
2、3行でもいいので、悩みを書き続けてときどき見返してみると、過去の悩みを乗り越えたという感覚や他人への共感能力を高めることができます。
また、感謝の日記もセルフコントロール能力が高まるのでおすすめです。
自分たちは感謝の体験を思い出して書くということをすると、目の前の誘惑にまどわされなくなります。
やるべきことがあるのにYouTubeやTick Tokのショート動画を見まくってしまうとか、ゲームをしてしまったりして後悔する頻度も減ります。
衝動的に目先の利益に飛びつくこともなくなるので、感謝したことを書くのも効果的です。
日記は、Googleスケジュールでもスマホのメモでもなんでもいいので、日々記録しておくといいでしょう。
第2位「家族や友達に電話ではなす」

通勤時間の効果的な使い方第2位は「家族や友達に電話ではなす」です。
以前、【幸せを決めるPERMA理論】ウェルビーイングの高め方③~人間関係編~でも紹介しましたが、
人の幸せとは何かついて、ハーバード大学が84年という長い年月をかけて行った研究によると、「人の幸せは人間関係で決まる」ということが近年明らかになりました。
そのため人生を過ごすうえでは、人間関係に時間を多く使っていくことが大切になっていきます。
とはいっても、僕らは仕事が忙しくなると、なかなか親や恋人、友だちなどと会うことが難しくなります。
会って話をするだけでなく、電話をかける時間をつくるのも大変だという方もいるでしょう。
ですが、通勤中ならそれが可能です。
仕事のスケジュールは変動しやすいですが、通勤のスケジュールはほとんどの人が固定されているはずです。
なので毎週決まった時間に、親や恋人に電話したり、久しぶりに友だちと電話して話すことができると思います。
会社まで移動するだけというつまらない時間が、お互いにとって大事な時間に変えることができます。
電車やバスなどの交通機関での通勤であれば話すのはできないかもしれませんが、運転中や歩行中などであれば自由に話すことができます。
人生に占める割合は決して仕事だけではないので、日々の通勤時間を使って、プライベートの時間を充実させてみてはどうでしょうか。
第1位「オーディオブックを聴く」

通勤時間の効果的な使い方堂々の第1位は「オーディオブックを聴く」です。
オーディオブックは、交通機関での通勤中でも歩きながらでも使うことができる最強ツールです。
既にご存知の方もいるかもしれませんが、オーディオブックというのは本を開かなくても内容を楽しむことができるツールです。
プロのナレーションが本の内容をすべて読み上げてくれるので、聞くだけで本の内容が理解できるものになっています。
話す速度も0.8倍速とか1.2倍速とか自由に設定でき、自分がききとりやすい速さで聞くことができます。
筆者はかつて本を読みながら通勤していたときがあったのですが、車にひかれそうになって本を読むのをやむを得ずあきらめたことがありました。
しかしオーディオブックに出会ってからは、前を見ながら安全に本の内容を楽しむことができています。
ちなみに音声はノイズキャンセリング機能がついたイヤホンで聴いています。
電車の音などでうるさい環境でも、周りの音をシャットダウンしてくれる機能がついているので、静かな状態で本の内容を楽しむことができます。
通勤時間のすべてを毎日オーディオブックを聴けば、月に2~4冊は読むことができるので非常におすすめです。
オーディオブックはアマゾンのオーディブルが有名で、登録すると今日からでも聴くことができます。
対象の本であれば月1,500円で聴き放題なので、自分の好きな本に出会えるのは間違いないでしょう。
最初の30日間は無料なので、その間は試して聴いてみるだけなら損はありません。
本が好きな方であれば、つまらなかった通勤が楽しい時間になります。
日々のスキルアップにも繋がるので、ぜひオーディオブックを取り入れてみてはどうでしょうか。
まとめ:通勤時間をうまく使えば人生変わる

通勤時間の効果的な使い方TOP5のまとめです。
【通勤時間の効果的な使い方TOP5】
- 第5位:「外国語を学ぶ」
- 第4位:「メールを全て返信する」
- 第3位:「日記を書く」
- 第2位:「家族や友達に電話ではなす」
- 第1位:「オーディオブックを聴く」
冒頭でお話しましたが、日本人の平均通勤時間は1日1時間7分です。
「通勤時間は1日のなかで最も楽しくない活動」とされるのは、裏を返すと多くの人が通勤時間をただ通勤するだけに使っているということです。
ただ、今回紹介したTOP5からもわかるように、自分たちが移動しながらもできることというのは意外に多くあります。
自分のスキルを高めることに使ったり、家族やパートナーとか大切な人との会話に使ったりできるというのがそうでしたね。
今回紹介した例を実践すれば、今日から日々のつまらない時間を、日々充実した時間に変えることができます。
1つでも取り入れるだけでも人生変わるので、ぜひ何か取り入れてみてください。
時間の使い方については、冒頭でも紹介したキャシー・ホームズの『「人生が充実する」時間の使い方』が非常にお勧めです。
もっと時間の使い方について詳しく知りたい方は、これを読むだけで時間の考え方や使い方が大きく変わります。
「人生は限られている」という実感も出てきて時間の使い上手になれるので、より深く学びたい方はぜひチェックしてみてください。
【参考文献・データ等】
- キャシー・ホームズ『「人生が充実する」時間のつかい方 UCLAのMBA教授が教える“いつも時間に追われる自分”をやめるメソッド』
- 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」
- Gabriela Saldivia(2018)Stuck In Traffic? You’re Not Alone. New Data Show American Commute Times Are Longer. SPECIAL SERIES Here & Now Compass
- Daniel Kahneman et al., (2005)”A Survey Method for Characterizing Daily Life Experience: The Day Reconstruction Method” Science 306(5702):1776-80
- 外務省「海外在留邦人数調査統計」
- amazon Audible
【記事執筆】あすか
【Twitter】:https://twitter.com/askalabo