結局、私たちはどれだけ睡眠が必要なのか?アメリカの睡眠財団の研究を紹介
アメリカの睡眠財団が「結局、私たちはどれだけ睡眠が必要なの?」(R)というのを調べてくれたので、今回はそれについて紹介したいと思います。
研究チームは、理想的な睡眠時間は人によって異なる可能性があることは前提としながらも、アメリカ睡眠医学会のデータを基に「推奨される睡眠時間」を年齢別にまとめています。
具体的には次のような感じです。

データを見ると、子供から大人になるにつれて必要な睡眠時間はへっていますが、「18歳以上は最低7時間以上はとったほうがいい」とあります。
そうすれば、脳の状態もスッキリして翌朝のパフォーマンスも上がるとしています。
たしかに言われみれば、睡眠が5、6時間のときは全然仕事に集中できなかったなと感じる方は多いと思います。
もちろんショートスリーパーの方は短時間でも問題ないはずですし、ロングスリーパーは8時間でも足りないでしょう。
しかし彼らの存在は全体の2割程度とされているので、約8割の人は7時間以上睡眠をとったほうがいいというおおよその目安にはなりますね。
では、私たち日本人はいったいどれだけの人が十分に睡眠がとれているのでしょうか?
24時間戦っていた日本人

「24時間戦えますか」というフレーズをご存じですか?
1989年に流れた栄養ドリンクリゲインのCMで、日本で一時期話題になったものです。
「24時間戦えますか」は平成元年の流行語大賞になっています。
当時の日本は、不眠不休で仕事をすることが一種の美徳のような時代でした。
しかし実際には、私たちは1日の労働時間が長くなればなるほど、パフォーマンスが落ち、かえって仕事の質が落ちてしまいます。
逆に言うと、このCMは睡眠を取ることが軽視されていた時代を反映しているといえます。
残念なことにこの「睡眠は悪いこと」と考える風潮は、今も根強く残っています。
睡眠7時間以上の人は全体の約30%だけ

日本人は世界で最も睡眠がとれていない国です。
実際に令和3年度の日本人の睡眠時間について厚生労働省のデータ(R)をみると、次のような感じになっています。

【日本人の平均睡眠時間】
- 「9時間以上」5.9%
- 「8時間以上~9時間未満」9.7%
- 「7 時間以上~8 時間未満」15.9%
- 「6 時間以上~7 時間未満」 34.7%
- 「5 時間以上~6 時間未満」 23.9%
- 「5時間未満」9.1%
なんと7時間以上寝れている日本人は約30%だけで、10人中たった3人しかいません。
ショートスリーパーを除けば、日本人の過半数以上が毎日寝不足であるということになります。
先進国のなかでも日本は生産性の低い国です。
その原因の一つは、睡眠時間が十分にとれていないのが理由かもしれません。
もう24時間戦う時代は終わりました。今はたっぷり睡眠をとって短い時間でしっかり仕事をこなすことが当たり前の時代です。
仕事のパフォーマンスを上げるために、睡眠時間は絶対に削らず確保しておくといいですね。
具体的に睡眠時間をとるための方法については、【パフォーマンス向上】ぐっすり快眠するための方法を14個まとめてみたをご覧いただけると幸いです。
なかなか寝付けずに悩んでいるという方はぜひ参考にしてください。
【参考文献・データ等】
・栄養ドリンクリゲインCM「24時間戦えますか」(1989年)
・Eric Suni ,Dr. Abhinav Singh (2023)How Much Sleep Do You Need?
・厚生労働省「令和3年度 健康実態調査結果の報告」