最強の認知行動療法ACTのやり方①~イントロ編~

メンタル改善

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最強の認知行動療法ACTのやり方①~イントロ編~

 史上最強のメンタルコントロールって何かご存知ですか?

 それは「ACT(アクト)」です。

 ACTとは、

  • ネガティブな考えや感情になっても、自分の心をコントロールできる方法

 をいいます。

 例えるなら硬い枝を柔らかい枝にするようなもの。

 枝が硬いと曲げればポキッって折れるけど、ふにゃふにゃだったら折れない。

 心も一緒で「自分はこうじゃなくてはいけない!」と固いままだと、いつかポキッと折れてしまいます。

 そこで今回は、折れない心をつくる行動療法ACTのやり方について紹介します。

 すぐにマスターは難しいですが、一度習得できると最強スキルになります。

 なぜなら以下のメリットが手に入るから。

  • 自分で自分を助けることができる
  • 1分以内で自分のメンタルをコントロールできる
  • 統合失調症の人の再入院が半分減る

 専門家いらずでここまで効果があるって驚きですね。

 ACTは大きく6つのパートに分かれてます

ACT行動療法のやり方6ステップ

筆者作成:【図解】行動療法ACTのやり方の流れ(参考)ラスハリス『幸福になりたいなら幸福になろうとはしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門

 なのでACTは6回に分けて解説します。

 「6回分習得するのはきつい!」

 「必要最低限だけ覚えたい!」

 という方は、これから紹介する脱フィージョンだけでも効果あります。

 行動療法ACTのやり方については、幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』がオススメです。

 初心者の人に多く読まれています。

 まずは、ACTシリーズのイントロ編ということで、概要から説明します。

ACT行動療法のやり方とは?

ACT行動療法のやり方

 そもそも行動療法ACTとは、

  • 気持ちを明るくしよう!
  • 心を楽にしよう!
  • ポジティブになろう!

 といった無理に明るくなるものではありません。

 むしろACTは、

  • 自分が今辛い状況や苦しいことをどう受け入れるか?

 を重視してます。

 私たちは油断すると、

 「自分はなんてダメなやつなんだ…」

 と思考の罠にハマって、会社を辞めたり、人と関わらなくなったりします。

 でもACTは違います。

  • あくまで「自分はダメなやつ」という思考が出てきただけであって、行動までネガティブにする必要はない

 と考えます。

 思考とは「妄想」です。

 ただの言葉の羅列にすぎません。

 だから勝手にできてしまう思考は、アナ雪の歌みたいに「ありのまま」に受け入れる。

 思考はコントロールできなくても、行動はコントロールできます。

 どう行動するかに集中すれば、パフォーマンスを高めたり、人間関係も良くなります。

ACT行動療法のやり方ー6つの原則ー

ACT行動療法のやり方

 行動療法ACTには6つのステップがあります。

 ACTの6つのステップを実践すると、人生が変わります

【行動療法ACT6つのステップ】

  • ACT行動療法のやり方①脱フィージョン
  • ACT行動療法のやり方②観察する自己
  • ACT行動療法のやり方③拡張(アクセプタンス)
  • ACT行動療法のやり方④接続(つながる)
  • ACT行動療法のやり方⑤価値の確認
  • ACT行動療法のやり方⑥目標に向かっての行動

 これができると、自分の目的や価値観にそって、感情にふりまわされずに行動できます。

 それぞれ簡単に解説します。

ACT行動療法のやり方①脱フィージョン

ACT行動療法のやり方①脱フィージョン

 ACT1つ目ステップは「脱フィージョン」です。

 脱フィージョンとは、

  • ネガティブな思考や感情を自分と切り離すテクニック

 をいいます。

 脱フィージョンができるようになると、ネガティブな思考や感情にハマったり、心配やストレスを感じなくなります。

 詳しくは第2回のACTシリーズで解説しますね。

 >>【ACTシリーズ第2回】最強の認知行動療法ACTのやり方~脱フィージョン編~

ACT行動療法のやり方②観察する自己

ACT行動療法のやり方②観察する自己

 ACT2つ目のステップは「観察する自己」です。

 人は2つの自分をもっています。

  • 考える自分
  • 観察する自分

 例えば、机の上にやり残した書類がたまっているのを見るとします。

 その時、

  • 「自分は仕事ができないダメ人間だ…」

 と思うのは「考える自分」です。

 ですが、

  • 机の上に書類が6つある。1つ1時間で終わるから、6時間あれば1日で終えられる

 は「観察する自分」です。

 この考える自分を減らして、客観的に観察する自分を増やす。

 すると、ネガティブな感情に振り回されなくなります。

 詳しくは第3回のACTシリーズで解説します。

 >>【ACTシリーズ第3回】最強の認知行動療法ACTのやり方~観察する自己編~

ACT行動療法のやり方③拡張(アクセプタンス)

ACT行動療法のやり方③拡張(アクセプタンス)

 ACT3つ目のステップは「拡張(アクセプタンス)」です。

 拡張とは、

  • 自分が感じた嫌な感情を追い出そうとせず、自分の中に居場所をつくる

 というものです。

 例えば心の中に「嫌味を言われてモヤモヤする感情」を置くスペースをつくって、しばらく放っておく。

 すると、自然とそのネガティブな感情が消えていく。

 ネガティブな感情を追い出すのではなく、ありのままに受け入れるのが拡張です。

 詳しくは第4回のACTシリーズで解説します。

 >>【ACTシリーズ第4回】最強の認知行動療法ACTのやり方~拡張編(アクセプタンス)~

ACT行動療法のやり方④接続(つながる)

ACT行動療法のやり方④接続(つながる)

 ACT4つ目のステップは「接続(つながる)」です。

 接続とは、

  • いまこの瞬間とつながること

 をいいます。接続ができれば、

  • 過去についてくよくよ考えなくなる
  • 未来のことを必要以上に心配しなくなる
  • いま目の前で起きていることに完全に集中できる

 などのメリットがあります。

 接続ができると行動のコントロールも上手くいきます。

 詳しくは第5回のACTシリーズで解説します。

 >>【ACTシリーズ第5回】最強の認知行動療法ACTのやり方~接続編(コネクト)~

ACT行動療法のやり方⑤価値の確認

ACT行動療法のやり方⑤価値の確認

 ACT5つ目のステップは「価値の確認」です。

 価値の確認とは、

  • 人生を意味あるものにするために、自分なりの価値観をはっきりとさせ、それとつながること

 をいいます。あなたの価値観は、

  • 自分が心の中で一番大切にしているものは何か
  • 自分はどんな人になりたいか
  • 自分にとって何が重要で意味があるのか

 などを反映してます。

 価値観は自分の人生に方向性を与えてくれるので、人生を変えるモチベーションになります。

 詳しくはACTシリーズ最終章で解説します。

 >>【ACTシリーズ最終章】最強の認知行動療法ACTのやり方~価値ある行動編~

ACT行動療法のやり方⑥目標に向かっての行動

ACT行動療法のやり方⑥目標に向かっての行動

 最後、ACT6つ目のステップは「目標に向かっての行動」です。

 自分なりの価値観で人生の方向性を決めたら、あとはそれに従って行動するだけです。

 あなたが進みたい道がはっきりわかれば、たとえ何度失敗したとしてもチャレンジできます。

 もう一度ACTの流れを一緒に確認しましょう。

【図解】行動療法ACTのやり方の流れ
筆者作成:【図解】行動療法ACTのやり方の流れ(参考)ラスハリス『幸福になりたいなら幸福になろうとはしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門
  • 自分の思考と感情を切り離す。または受け入れる(脱フィージョン、拡張
  • →起きたできごとを客観的にみる(観察する自己
  • →いまここに集中できる(接続
  • →パフォーマンスが上がり、自分の価値観にそった行動ができる(価値の確認、目標に向かっての行動

ACT行動療法をするべきか分かる15の質問

 ちなみに、どんなタイプの人がACTをした方がいいのか?

 あなたがACTをするべきかわかる診断を紹介します。

 知りたい方は、次の15の質問に「はい」の数がどれだけあるか数えてみてください。

【ACTをするべきか分かる15の質問】

  • 1 私は成功するための感情コントロールが上手いと思っている。
  • 2 不安はよくないものだと思う。
  • 3 ネガティブな思考や感情は、コントロールするか消そうとしないと自分に悪影響を及ぼすと考えている。
  • 4 私は自分の心にわきあがる強い感情を恐れている。(怒りや悲しみなど)
  • 5 何か重要なことを成し遂げるとき、疑いの心を振り払っておく必要がある。(本当にこの仕事で上手くいくんだろうか…失敗しないだろうか…など)
  • 6 ネガティブな思考や感情が出たら、すぐにそれを追い払う必要がある。
  • 7 ネガティブな思考や感情をコントロールするには、それらを分析して、その結果を利用して追い払う必要がある。(なんでこんな感情をもっているんだろう?と分析して追い払う)
  • 8 ネガティブな思考や感情を減らしたり追い払うことができれば、自分は幸せになれると思う。
  • 9 ネガティブな感情をコントロールできないのは、自分の怠けや弱さの表れだと思う。
  • 10 ネガティブな思考や感情があるのは、メンタルに問題がある、心理的に問題を抱えている証拠だと思う。
  • 11 人生をコントロールする人は、自分の感情もコントロールしている。
  • 12 不安を感じるのは悪いことなので、全力で避けている。
  • 13 ネガティブな思考や感情が起こるのは、自分に欠点があるからだ。
  • 14 何か重要なことをするときには、いい気分でなければならない。
  • 15 気に食わない思考や感情は、それを考えないようにすることによって抑える。

 15の質問のうち、「はい」の数が1つでも当てはまったらACTをすると人生が変わります。

 つまり大半の人が、思考や感情の罠から抜け出せていません。

 思考や感情の罠から抜け出すには、

  • そもそも思考や感情はコントロールできないものだ

 とはっきり気づく必要があります。

まとめ:ACT行動療法のやり方を知ると人生変わる

 最強の行動療法ACTのまとめです。

  • 行動療法ACTとは、自分のネガティブな思考や感情を受け入れ、自分の価値観にそった行動をすること。

【行動療法ACT6つのステップ】

  • ACT行動療法のやり方①脱フィージョン:ネガティブな思考や感情と自分を切り離す
  • ACT行動療法のやり方②観察する自己:自分を客観的にみる
  • ACT行動療法のやり方③拡張(アクセプタンス):嫌な感情を追い出そうとせず、自分の心の中に居場所をつくる
  • ACT行動療法のやり方④接続(つながる):いま目の前で起きていることに完全に集中し、行動をコントロールする
  • ACT行動療法のやり方⑤価値の確認:人生を意味あるものにするために、自分なりの価値観をはっきりさせる
  • ACT行動療法のやり方⑥目標に向かっての行動:自分の価値にそった行動をする

【行動療法ACTのやり方流れ】

【図解】行動療法ACTのやり方の流れ
筆者作成:【図解】行動療法ACTのやり方の流れ(参考)ラスハリス『幸福になりたいなら幸福になろうとはしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門
  • 自分の思考と感情を切り離す。または受け入れる(脱フィージョン、拡張
  • →起きたできごとを客観的にみる(観察する自己
  • →いまここに集中できる(接続
  • →パフォーマンスが上がり、自分の価値観にそった行動ができる(価値の確認、目標に向かっての行動

 そもそも私たちは思考と感情をコントロールできません。

 思考と感情は、自然と心の中に湧き上がってくるものです。

 これを無理やり押さえつけようとするといつか限界を迎えます。

 また、私たちはかんたんに自分と思考がくっついてしまうので、

  • 思考は単なる言葉の羅列であって、自分に悪影響は与えない

 と気づくのが大事です。

 そこで次回は、思考と感情を切り離す「脱フィージョン」について解説します。

 脱フィージョンができれば、もう一人の自分が自分を見ているような感覚になることができます。

 つまり、一歩引いて自分を観察することができる

 なので、感情にふりまわされてネガティブな行動をする頻度が減ります。

 ACTについては、『幸福になりたいなら幸福になろうとはしてはいけない』がお勧めです。

 ACTのなかで一番読みやすい本で、実際にAmazonレビューでは星5の評価がたくさんついています。

 行動療法ACTができるようになると、あなたの人生が変わります。

 ぜひ日常生活や仕事、プライベートで使ってみてください。

 次回は、ネガティブな思考と自分を切り離すテクニック「脱フィージョン」について解説します。

 >>【次回ACT第2弾】最強の認知行動療法ACTのやり方②~脱フィージョン編~

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追伸:このような専門知識を覚える方法については、こちらの記憶に残すための読書術で詳しく解説してます。行動療法などの専門書を読む時に使えるので必要な方はどうぞ↓

ACT行動療法のやり方に関するよくある質問

私たちが感情に振り回されてしまうのはなぜですか?

起きていることと、考えていることを分けれていないからです。

私たちが頭の考えていることと実際に起きていることは別ものです。

例えば、給料が上がらないのは出来事ですが、思考は妄想です。

「じゃあどうやったら上げられるかな」と思う人もいれば、「自分は能力がないんだ…」と思う人もいます。

つまり、事実に対して感想をいってるだけなので、それに気づけると感情に振り回されなくなりますよ。

【参考文献・データ等】

【記事執筆】あすか

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