MBTIに信憑性がない3つの理由―16タイプ性格診断の科学的根拠―
最近人気の16タイプの性格にわけるMBTI診断テスト。
実はこのMBTIは信憑性がないと明らかになったのをご存じでしたか?
プロフィールにも
「私はINFJです」
など載せる人もたまに見かけますよね。
ですが近年『GIVE & TAKE』で有名なアダムグラントの記事を読んでみると、MBTIには信憑性がないとわかっています。(R)
いまは会社も採用面接の基準に使ってるくらいなのに、MBTIには信憑性がないとなるとちょっとびっくりですよね。
そこで今回は、MBTIに信憑性がない理由について3つ解説します。
MBTIに信憑性がない理由
MBTIに信憑性がない理由は次の3つです。
【MBTIに信憑性がない理由】
- MBTIに信憑性がない理由1)結果がコロコロ変わるから
- MBTIに信憑性がない理由2)科学的な根拠がないから
- MBTIに信憑性がない理由3)予想通りの結果が出ないから
なかにはちょっと意外な理由もあると感じた人もいるかもしれないですね。
順にみていきましょう。
MBTIに信憑性がない理由1)結果がコロコロ変わるから
MBTIに信憑性がない1つ目の理由は、「結果がコロコロ変わるから」です。
半年ごととか1年後とかに受けても、以前出た結果と全然違う結果がでるような診断は信憑性がないといえます。(R)
逆に、期間を空けて受けてもあまり変わらない診断は信憑性があると判断してOKです。
例えば、VIAの24タイプ強み診断がそうです。
実際、筆者が1回目(2023年6月22日)とその1年3か月後(2024年9月27日)に受けた診断結果は、ほぼ変わりませんでした。
1回目に受けた診断テスト↓
2回目に受けた診断テスト↓
変わったのは3位と4位の順番と、5位の強み(審美眼→大局観)くらいです。
24タイプのランキングは、約6200垓通り(!)あるので、そのなかでトップ5がほぼ同じなのは診断テストとして信憑性が高いといえます。
でもMBTIは違った。
1回目はINFJ(提案者)だったのが、2回目はISTJ(管理者)、3回目はINTP(論理学者)とどんどん変わっている。
最初受けたときは、
「うわ!自分はINFJだ!世界で一番珍しいタイプなんだねふふふ」
と喜んでいたけど、2回目受けたらISTJ
「え??今度は一番多いタイプのISTJになったやん…」
と意味わからなくなる。
3回目で結果が論理学者のINTPになるともうお手上げ。
MBTIの診断結果が正しいなら、私は論理的でさらに管理も提案もできるチート人間になる。
さすがにおかしいなと思って調べてみたら、科学的にはMBTIは信憑性がない診断だとわかりました。
具体的には、MBTIの場合、数か月後にもう1度診断すると、50%の確率で違う答えが出ると明らかになってます。(R)
MBTIは、実際やっていて面白いところはあるので、遊びでやる分にはいいと思います。
ですが、
「信憑性の高い診断をしたい!」
というタイプの人は、VIAの24タイプ強み診断みたいな精度の高いテストを受けると吉です。
ちなみにVIAの24タイプ強み診断を受けてみたい方はこちら↓
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MBTIに信憑性がない理由2)科学的な根拠がないから
MBTIに信憑性がない2つ目の理由は、「科学的な根拠がないから」です。
そもそもMBTIはカール・ユングの理論を基につくられてます。
でも、ユングの理論って科学的というより、哲学的な要素がめっちゃ強いんですよね。
なのでMBTIは「占い」みたいなものと近いといえます。
具体的には、MBTIは以下の4つの軸を使って人の性格を分類しようとしています。
- 1外向型(E)vs 内向型(I)
- 2感覚型(S)vs 直感型(N)
- 3思考型(T)vs 感情型(F)
- 4判断型(J)vs 知覚型(P)
これらの組み合わせで16タイプに分類されてるんですけど、問題は、この分類が科学的な検証をしてないっていう点ですよね。
例えば、
「あなたは外向的ですか、内向的ですか?」
って聞かれても、それは状況によって変わったりしませんか?
あなたが友達と遊ぶときは外向的かもしれないけど、仕事中は内向的かもしれない。
私たち人って、そんなかんたんに2つに分類できるわけないんです。
もっというと、MBTIの質問項目も科学的に検証されていません。
実際、
「あなたは派手な色の服が好きですか?」
という質問が本当に自分の性格を測れるのか?
ちょっと疑問ですよね。
つまりMBTIは
「こういう人がいるかもしれない」
という仮説を16パターンに分けただけで、それが本当に全ての人間に当てはまるかどうかは検証されていないんです。(悲しい)
例えるなら、あなたが占いを見て
「今日のラッキーアイテムはバナナです」
と言われても、バナナが本当に自分にラッキーをもたらすかどうかは誰も証明できないのと同じです。
MBTIに信憑性がない理由3)予想通りの結果が出ないから
MBTIに信憑性がない3つ目の理由は、「予想通りの結果が出ないから」です。
信頼できる診断テストほど、質問の内容が具体的です。
なので、質問を受けていると
「あ、この質問は自分がどれだけ内向的な人なのか判断しようとしてるなぁ」
というのが分かったりします。
たとえば、最も信頼できる診断テストとされるビッグファイブの質問だと、
- Q 私は、初めての人に会うのが好きで、会話をするのが好きで、人と会うのを楽しめる人間だ
- Q 私は、恥ずかしがり屋で、物静かで、人が多いパーティなどは苦手な人間だ
みたいな感じですね。
1つ目の質問は外交的かどうかを聞いてて、2つ目は逆に自分が内向的かどうかをきいてる。
だから診断結果をみても
「あなたは内向的なレベルが高い人です」
って出たら、
「まぁそうだよね。なんとなくわかってたけど」
ってなる。
ただ、MBTIの場合は質問があいまいなので、予想通りの結果が出ないことが多い。
1つ実際にあった例をあげると、
- Q クリエイティブな作品の様々な解釈の仕方に関する議論には興味ないですね?
なんてでてくる。
率直に言って、いまいち何を自分に聞きたいのか分からない。
質問があいまいだから、自分の答えもブレてしまって、意外な結果が出たりする。
でも私たちは意外な結果がでると、
「自分が知らなかった秘密を知ることができた!」
と喜んだりするので、そういった理由もあって、MBTIはかなり人気なんだろうなと思います。
ただ、信憑性のある診断テストは結果をみても予想した結果になるので、やはりMBTIは科学的根拠のないものだといえますね。
MBTIに信憑性がない理由まとめ
MBTIに信憑性がない理由まとめです。
【MBTIに信憑性がない理由まとめ】
- 16タイプの性格にわけるMBTI診断テストは、実は信憑性はない。
【MBTIに信憑性がない理由】
- MBTIに信憑性がない理由1)結果がコロコロ変わるから
- MBTIに信憑性がない理由2)科学的な根拠がないから
- MBTIに信憑性がない理由3)予想通りの結果が出ないから
MBTIは言ってしまえば占いのようなものです。
朝の星座占いみたいに、「なるほど今日のふたご座のラッキーカラーは青なんだ」くらいのノリで見るのがいいかもしれません。
ただ、MBTIを真に受けて人生を左右させるのはかなり危険といえます。
例えば、
- 自分がMBTIで相性テストしたらパートナーと合わなかったら別れよう
などと考えたらせっかくの幸せも手に入らなくなりますよね。
MBTIを楽しみでやる分にはいいと思いますが、自分の性格を理解したいなら、もっと科学的で信憑性の高い方法を使うと良きです。
自分の可能性を16タイプの枠に閉じ込めてしまうのはもったいないと思います。
むしろ、
「自分はこういう人間だ」
と決めつけずに、信頼できる診断テストをやっていくなかで、自分の新しい長所とかを発見していく方が、人生をより豊かにできると思います。
ぜひ参考にしてみて下さい。
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MBTIの信憑性に関するよくある質問
どうしてMBTIは信憑性がないのにこんなに人気なんですか?
多くの人がMBTIの診断テストに時間とお金をかけたためだと考えられています。(R)
せっかく本も買って、たくさん時間をかけて診断したり相性テストをしたなら、それを手放すのって難しいですよね。
だから間違っていると気付いた人であっても、今更否定するのはできないのだと思います。
参考文献:データ等
- Adam Grant Ph.D. “Goodbye to MBTI, the Fad That Won’t Die. MBTI, I’m breaking up with you. It’s not me. It’s you.”
- Annie Murphy Paul “Annie Murphy Paul “The Cult of Personality Testing: How Personality Tests Are Leading Us to Miseducate Our Children, Mismanage Our Companies, and Misunderstand Ourselves.”
【記事執筆】あすか
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