【9つの質問でわかる】仕事の満足度診断

仕事

「仕事の満足度」を数値化する

「仕事の満足度」は数値化できる

出典元:O-DAN

 今のあなたの「仕事の満足度」を診断して数値化する方法を実証研究に基づいて紹介します。

 あなたは、次のような悩みを抱えていませんか?

・この仕事を辞めて転職するべきか……。

・自分はやりがいを感じているのか……。

・他の人より良い職場で働いているか……。

でもこれらを明確に判断する方法が分からないんですよね…。

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 そこで今回は、世界的に広く使われている「科学的根拠」に基づいた「仕事の満足度診断」を紹介します。

 この「仕事の満足度診断」は、オランダのユトレヒト大学社会科学部産業・組織心理学科の教授ウィルマー・B・シャウフェリ博士が提唱した方法です。

 簡単にできるタイプと正確に行うタイプの2つがありますが、今回は9つの質問で簡単にできるバージョンを使って「仕事の満足度」を数値化します。

「活力」「熱意」「没頭」の数値を判断

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 組織心理学者のシャウフェリ博士は、仕事の満足度に関連するポジティブで充実した心理状態として、以下の3つを定義しています。(厚生労働省「労働経済の分析」

【活力】仕事から活力を得ていきいきしている

【熱意】仕事に誇りとやりがいを感じている

【没頭】仕事に熱心に取り組んでいる

 この3つをまとめて、専門用語では「ワーク・エンゲイジメント」と呼びます。

 「ワーク・エンゲイジメント」が高い人ほど、仕事にやりがいを感じ、熱心に取り組み、さらに活力を得て生き生きとした人生を送っています

ワーク・エンゲージメントが高い人は「とても幸せな人」ということですね。

「仕事の満足度」診断をする

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 では早速シャウフェリ博士が提唱した「仕事の満足度」診断をやっていきたいと思います。

 質問項目は、以下の「9つ」です。

 これらの質問をそれぞれ0点から6点満点で採点します。

 具体的には、以下の基準で採点します。 

0点:全くない

1点:ほとんど感じない(1年に数回以下)

2点:めったに感じない(1 ヶ月に1回以下)

3点:時々感じる(1 ヶ月に数回)

4点:よく感じる(1週間に1回)

5点:とてもよく感じる(1週間に数回)

6点:いつも感じる(毎日)

 まずは【活力】について採点していきます。

 次の①から③の質問項目を、それぞれ0点から6点満点で採点してみてください。

【活力】

①朝起きると仕事へ行こうという気持ちになる

②仕事中は、活力がみなぎるように感じる

③職場では元気・精力的になるように感じる

 ①から③について採点が終わったら【活力】の平均点を出します。

 たとえば【活力】の質問項目の値が

 ①4点、②3点、③2点であれば、

 【活力】の平均は

(①4点+②3点+③2点)÷3=平均3点

 になります。

 以下【熱意】【没頭】も同じような要領で採点し、平均点を出していきます。

【熱意】

④仕事に熱心である

⑤仕事は、私に活力を与えてくれる

⑥自分の仕事に誇りを感じる

【没頭】

⑦仕事に没頭しているとき、幸せだと感じる

⑧私は仕事にのめり込んでいる

⑨仕事をしていると、つい夢中になってしまう

 それぞれ採点が終わったら、【活力】【熱意】【没頭】を合計して、全体のスコアを出します。

 例えば、

【活力】平均3点【熱意】平均4点【没頭】平均2点であれば、

【活力】3点+【熱意】4点+【没頭】2点)÷3=全体のスコアは3点になります。

「仕事の満足度」職業別スコア

厚生労働省「労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-

 日本の職業別「仕事の満足度」診断のスコアは、上図のとおりになります(厚生労働省「労働経済の分析」)。

 上図の」が「仕事の満足度」診断の全体の平均スコアをそれぞれ表しています

平均スコアよりも低いなら、今の仕事について見直す必要がありそうです。

 なお、日本全体のスコア平均は「3.42」です。

 この値よりも高いのかそうでないかで判断するのもありですね。

 ちなみに「仕事の満足度」診断の結果を見ると、人を相手にするような業種や複雑な業務があるほど比較的高い傾向にあるようです。

 実際、学校の先生や保育士などの「教育関連専門職」は「3.94」、「接客・サービス職」は「3.52」という結果です。

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 フロリダ州立大学の研究でも、仕事内容にバリエーションがあるほど「仕事の満足度」が上がることが分かっています。(Stephen E. Humphrey., et al

 単純作業が多い業種であれば、業務の幅を広げたり、接客など複雑な仕事も取り入れてみるといいかもしれません。

定期的な診断で改善点の把握を

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 このような「仕事の満足度診断」は、改善点を把握するなどに使えます。

 満足度は環境の変化などによって変動するため、3か月ごとなど定期的に診断するといいですね。

 今回は簡単にできる診断を紹介しましたが、鈴木祐『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』では、更に精度の高い64問バージョンの「仕事の満足度診断」が紹介されています。

 率直に言うと、この64問版の「仕事の満足度診断」は、9つバージョンと比べてかなり手間がかかります。

 今回のように、自分の今の仕事の満足度についてパッと数値化できるわけではありません。

 ですがより正確に「仕事の満足度」を数値化し、人生の方向性を確定するため1問1問きちんと答えられる人にとっては、大きな助けとなることは明らかです。

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 仕事の満足度を数値化することは、今後の自分の将来を決める上で、心強い判断材料の一つになります

 ぜひ定期的に診断してみてください。

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【参考文献・データ等】

厚生労働省「労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」

Ashley E. Nixon., et al Can work make you sick? A meta-analysis of the relationships between job stressors and physical symptoms

・鈴木裕『4021の研究データが導き出す 科学的な適職』

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