超簡単にできる科学的なストレス解消法6選ー最短14秒でイライラが消える!
今回は、秒でストレスを解消する科学的な方法を6つ紹介します。
ストレス解消には、
- 自然のあるところまで出向いて森林浴をする
- 1日20分以上の瞑想を毎日続ける
- 定期的にランニングなどの運動をする
などが効果が高いです。
が、
- 「自分がいるところは都会だから森林浴は難しいな…。」
- 「瞑想を毎日20分以上するのって大変だな…。」
- 「正直運動って面倒くさいんだよな…。」
と感じる人も正直多いでしょう。
頭の中では運動とか自然の中を歩いたほうがストレス解消にいいとはわかっていても、実際に行動に移すとなると難しいんですよね。
そこで今回は、たった数秒でできて、しかも科学的に認められている超簡単なストレス解消のテクニックを6つ紹介します。
森林浴や瞑想、定期的な運動よりは効果は劣るものの、試す価値は十分にある方法です。
ストレス解消には鈴木裕の『超ストレス解消法』がお勧めです。
今回紹介する方法以外にも試してみたいという方は、今回の記事とあわせて読んでみてください。
簡単にできるストレス解消法6選
秒できる科学的なストレス解消法は次の6つです。
【秒できる科学的なストレス解消法6選】
- 方法①ポジティブ・メモリーズ
- 方法②ネガティブ・ダストスピン
- 方法③メンタル・クリアボタン
- 方法④「実は起きていなかった」と想像する
- 方法⑤メールチェックを1日3回以下にする
- 方法⑥脱フィージョン
まずは、1番手軽にできるストレス解消の方法から紹介します。
ストレス解消法①ポジティブ・メモリーズ
秒できる科学的なストレス解消方法1つ目は「ポジティブ・メモリーズ」です。
ポジティブ・メモリーズとは、
- 過去の良い記憶を14秒間思い出す
方法をいいます。
この方法を使えば、なんとたった14秒で、ストレスを大きく軽減してくれます。
ラトガース大学の研究チームは、男女134人を対象に氷水に手を浸けさせて精神的なストレスを与えたあと、全体を2つのグループにわけました。(R)
- 1 14秒だけ過去の「良い記憶」を思い出してもらったグループ(「プレゼントをもらった」「旅行をした」など)
- 2 14秒だけ過去の「普通の記憶」を思い出してもらったグループ(「仕事をした」「料理をした」など)
すると、過去の「良い記憶」を思い出したグループは、「普通の記憶」を思い出したグループと比べてストレスホルモンであるコルチゾールが1割しか増えていませんでした。
ポジティブな思い出だけでストレスホルモンを減らせるのは驚きですね。
過去の記事で、ポジティブ感情を高めるには「1日の終わりにポジティブな出来事を3つ書き出すといいよ」と紹介しました。
ですが良い出来事を思い出すのは、ポジティブな感情を上げるだけじゃなく、イライラや不安のレベルを減らす効果もあるんですね。
思い出す出来事は、自分がポジティブな気持ちになれるものなら何でもOKです。
- 「最近、好きな洋服を買った」
- 「自分が立てた目標を達成できた」
- 「資格試験に合格した」
など、ストレスを感じた時に、自分にとって良かった記憶をとりあえず14秒だけ思い出してみます。
すると、自分のストレスが薄くなっていくのを感じるはずです。
ストレス解消法②ネガティブ・ダストスピン
秒できる科学的なストレス解消方法2つ目は「ネガティブ・ダストスピン」です。
これは、
- あなたが嫌だと思っていることを紙に書き出して、ゴミ箱に捨てる
テクニックをいいます。
オートノマ大学の研究チームは、被験者たちに「自分の体の嫌なところを紙に書き出してください」と指示し、全体を次の2つのグループにわけました。(R)
- 1 書いた紙を破いて捨てる
- 2 書いた紙をそのまま持っておく
その後、自分の体に対するイメージを専用の判定テストで調べました。
すると、紙を破いて捨てたグループは、紙を持っていたグループに比べて自分に対してポジティブな評価をし、ネガティブな考えによるストレスに強くなったのです。
その理由は、
- ネガティブな思考を書き出した紙をゴミ箱に捨てることで、その思考まで自分から離れていったと脳が判断したため
と考えられています。
また、このテクニックは、
- 頭の中でイメージするのではなく、実際に紙を使って書き出してゴミ箱にすてる
がポイントです。
ネガティブ・ダストスピンは、繰り返せばくりかえすほど効果があります。
もしあなたがストレスを感じたら、紙に書き出してネガティブな思考とともに捨ててみるとスッキリします。
ストレス解消法③メンタル・クリアボタン
秒できる科学的なストレス解消方法3つ目は「メンタル・クリアボタン」です。
スタンフォード大学の心理学者ドン・ジョセフ・ゴーイー博士が提唱するテクニックで、急に出てきた心配や不安、悩みをやわらげる効果があるものです。(R)
具体的には、次のようなステップで行います。
- 1 自分の手のひらの上に、ネガティブな感情を止めるボタンがあるのをイメージする。
- 2 自分の呼吸に意識を向けながら、ボタンを押す。
- 3 心の中で「1、2、3」と数えながら、色が「赤、青、緑」と変わるのを思い浮かべる。
すると、いきなり出てきた不安が減り、ストレスの上昇を抑えることができます。
ストレスが解消される理由は、
- 意識が不安なことではなく、呼吸や頭のなかで思い浮かべたボタン、色などに意識が向くから
と考えられています。
このテクニックは物を必要とせずイメージだけでできるので、どこでも使えるのがメリットです。
ストレスを感じたら、自分の手のひらにネガティブな感情を止めるボタンがあるのをイメージして、押してみてください。
ストレス解消法④「実は起きていなかった」と想像する
秒できる科学的なストレス解消方法4つ目は「実は起きていなかったと想像する」です。(R)
起きていなかったと想像するのは、
- あなたが過去に体験したポジティブな出来事
をいいます。
こちらも自分にとってポジティブな出来事であればなんでも構いません。
やり方は次の2ステップです。
- 1 過去の人生で起きたポジティブな出来事を思い浮かべる。(「ずっとやりたかった好きな仕事できた」「好きな人とデートをした」など)
- 2 その出来事が「実は起きていなかった」と想像してみる。
人には「損失回避バイアス」と呼ばれる思い込みがあります。
簡単にいうと「何かを得るよりも、失うほうが強く感じるバイアス」をいいます。
例えば、コインを投げて表が出たら1万3000円獲得でき、裏が出たら1万円失うというイベントがあったとします。
確率でいうとコインを投げた方が得なのですが、1万円失うことを回避しようと多くの人が「参加しない」を選びます。
この「損失回避バイアス」を逆手に使ったのが「実は起きていなかったと想像する」です。
あえて良い思い出が失われたことをイメージすることで、過去の自分のポジティブな体験がさらに輝くのです。
ネガティブな気分を引きずりやすい人ほどストレス解消の効果が高いので、あてはまる方はぜひ実践してみてください。
ストレス解消法⑤メールチェックを1日3回以下にする
秒できる科学的なストレス解消方法5つ目は「メールチェックを1日3回以下にする」です。
時間の使い方がうまい人は、行きと帰りの通勤時間を使って1日2回に抑えています。
メール以外にも、LINEなどのメッセージも制限したほうがストレス対策にはとても有効です。
実際、1日にLINEのメッセージやメールを自由にチェックさせたグループは、
- ストレスの増加
- 作業の生産性の低下
- 集中力の低下
などの現象がみられたのに対し、
全ての着信音や通知を切らせ、メールのチェックを1日3回までに減らしたグループは、
- 日々のストレスが大きく下がった
- 大事な作業での緊張感がやわらいだ
- 全体的な暮らしの幸福感が上がった
などの様々な変化が起きたことが、ブリティッシュコロンビア大学の研究で明らかになっています。(R)
メールチェックでストレスが増加する理由には、
- 作業中にメールやメッセージなどの通知で集中力が途切れると、脳が元の状態にもどるまでは20分以上もかかる。
- 集中力が切れるたび、作業が途切れたイライラが積もっていく。
などが主な原因とされています。
この問題を解決するためには、あらかじめ「メールやLINEのチェックは1日3回まで」と決めておくのがいいですね。
可能であれば、朝昼夜1回ずつよりも、
- 1回目は朝の9時から
- 2回目は昼の14時から
- 3回目は夜の19時から
などと細かく決めておくとさらに効果が高まります。
ちなみにこのSNSやメールチェックとあわせて、ニュースチェックも控えた方がベストです。
ニュースチェックもストレスホルモンの増加に加え、不安症状や攻撃的な行動の増加の影響もでます。
メッセージは人間関係のつながりがある以上完全に断つことはできませんが、ニュースに関しては一切見ないほうがベストです。
ストレス解消法⑥脱フィージョン
最後、秒できる科学的なストレス解消方法6つ目は「脱フィージョン」です。
脱フィージョンは、ネガティブな思考や感情と自分を切り離すテクニックです。
自分を否定する感情に自分がのみこまれないようにするために使います。
脱フィージョンのやり方にはいろいろあります。
例えば、
- 「僕はなんてダメな人間だ…」ではなく「僕はなんてダメな人間だ…と考えている」と言い換える
- ハッピーバースデーの曲で「僕は~な~ん~て~♪ ダメな~人間だ~♬」と歌う
- ネガティブな思考がわいてきたら「教えてくれてありがとう」と思考に感謝する
などです。
詳しくは、「脱フィージョン10の科学的メソッド」で紹介してるので、あなたの好きなやり方を選んでください。
この脱フィージョンのポイントは、
- 「自分の思考や感情と距離を置いている」
点です。
ネガティブな思考と自分を切り離すことができれば、感情の波にのまれてストレスを感じることも少なくなります。
近年の心理療法で効果が認められているテクニックです。
こちらもぜひ試してみてください。
簡単にできるストレス解消法まとめ
超簡単にできる科学的なストレス解消方法のまとめです。
- 自分にとって本当に効果が高いものを選ぶために、自分のストレス度を正確に把握するのが第一歩。
- 以下の6つの方法は、森林浴や瞑想、定期的な運動よりは効果は劣るものの、秒で実践でき、科学的に効果が認められている。
【簡単にできる科学的なストレス解消法6選】
- 方法①ポジティブ・メモリーズ(14秒良い出来事を思い出す)
- 方法②ネガティブ・ダストスピン(嫌なことを紙に書いてゴミ箱にすてる)
- 方法③メンタル・クリアボタン(手のひらにネガティブな思考を止めるボタンがあるのをイメージして押す)
- 方法④実は起きていなかったと想像する(ポジティブな体験が実はなかったと考えると輝きを増す)
- 方法⑤メールチェックを1日3回以下にする(回数を減らすとストレスホルモンが大きく減る)
- 方法⑥脱フィージョン(ネガティブな思考や感情と自分を切り離す)
ストレス対策のテクニックは、たくさん使えば使うほど効果があります。
また、「Aという環境では使ってみて効果はなかったけど、Bの場面で使ったら効果があった」ということもあります。
なのでストレスを解消する方法は1つだけではなく、複数もっておくと幅が広がります。
今回紹介した方法をいくつか覚えておくと、役に立つ場面が増えるので便利です。
「もっと他にもストレス解消テクニックを試したい!」という方は、鈴木裕の『超ストレス解消法』がお勧めです。
なんと、この本にはストレス解消の方法が100個記載されています!
これだけ材料があれば自分に合ったストレス解消法に出会えるのは間違いないでしょう。
長時間かけてがっつり取り組むタイプのストレス解消法もあります。
もちろん、今回紹介した手軽にできる6つの方法だけでも効果はあります。
秒でできるテクニックとあわせて、さらに知っておきたい方だけ読んでみてください。
ストレス解消法に関するよくある質問
1つのテクニックを覚えて繰り返し使うのがいい?
ストレス解消については質より量です。
ドラクエの呪文みたいにたくさん覚えておくと、1つの方法で効かなくてもほかの方法で上手くいく可能性がでてきます。
なのでたくさん知っておくほうが効果的です。
自分のストレスがどれくらいなのか正確に知りたい!
自分のストレスの値を正確に知りたいなら「OURA RING(オーラリング)」がお勧めです。
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ただ、紛失しやすい、値段が高すぎる、ビジネスの場面では使いにくいなどのデメリットはあるので、慎重に判断したいですね。
【参考文献・データ等】
- 鈴木裕『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド』
- ラスハリス『幸福になりたいなら幸福になろうとはしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門』
- Megan E Speer, et al.(2017)Reminiscing about positive memories buffers acute stress responses. May;1(5):0093. doi: 10.1038/s41562-017-0093.
- Pablo Briñol, et al.(2012)Thoughts as Material Objects Can Increase or Decrease Their Impact on Evaluation. Psychological Science 24(1) DOI:10.1177/0956797612449176
- Don Joseph Goewey(2014)The End of Stress: Four Steps to Rewire Your Brain.
- Minkyung Koo, Sara B. Algoe, Timothy D. Wilson, and Daniel T. Gilbert(2009)It’s a Wonderful Life: Mentally Subtracting Positive Events Improves People’s Affective States, Contrary to Their Affective Forecasts. J Pers Soc Psychol. Nov; 95(5): 1217–1224. doi: 10.1037/a0013316
- Kostadin Kushlev, Elizabeth W. Dunn(2015)Checking email less frequently reduces stress. Computers in Human Behavior Volume 43, February, Pages 220-228
- Russ Harris(2014)The Confidence Gap: A Guide to Overcoming Fear and Self-Doubt
【記事執筆】あすか
【X(旧Twitter)】:https://twitter.com/askalabo
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