仕事の価値観診断ー40の質問でわかる仕事の価値観8タイプと特徴まとめー
今回は、自分の仕事の軸がわかる仕事の価値観診断と8タイプの特徴を紹介します。
理由は、自分のキャリアの軸が分かれば人生に迷わなくなるからです。
あなたは子供のとき、親や周りの大人たちから
- 「有名な大企業に入って、出世していくのが大事だ」
- 「公務員になれば、ずっと安定した生活を送れる」
などと言われた経験はありませんか?
実はキャリアの考え方には、大きく8つのタイプがあります。
仕事で安定した生活を送る、大企業に入って昇進することはあくまで8つあるうちのたった1つでしかありません。
もし、親や世間の言葉を信じて、安定や昇進だけが正しいと思い込んだまま仕事を続けていくと、
- 「あれ?自分がやりたかったことって、本当に今の仕事だったのかな…?」
と人生に迷いが生まれます。
もちろん安定した生活スタイルが向いている人もいますが、必ずしも安定した仕事に就ければ幸せなわけではありません。
人によって生き方が違う。
この生き方を見つける診断を紹介します。
自分の中で仕事の軸を固定すると、ブレない価値観を維持できます。
そこで今回は、仕事における自分の軸を知るための仕事の価値観診断と8タイプの特徴を紹介します。
仕事の価値観診断を受ける
仕事の価値観は、心理学の世界でかなり有名なエドガー・E・シャインが8つのタイプにわけてくれています。
大半の人がこれから紹介する8タイプのどれかに当てはまります。
人生のなかで仕事に関する後悔は多い。
でも、年をとった後に気づくのだと遅い。
あとで人生を振り返って後悔しないために、自分の仕事の価値観を知っておくと便利です。
紙とペンを用意して、1~40までの質問に次の6点満点で採点してください。
【採点基準】
- 1点:全くそう思わない
- 2点:少しそう思う
- 3点:たまにそう思う
- 4点:時々そう思う
- 5点:よくそう思う
- 6点:非常にそう思う
点数が高いほど、自分にぴったり当てはまるということですね。
診断は5分くらいで、あなたの仕事の価値観タイプがわかります。
質問にはできるだけ正直に、あと素早く答えるようにしてください。
【仕事の価値観診断】
※所要時間5分程度、6点満点で回答
- 1 「このことならあのひとに聞け」と絶えず専門家としてのアドバイスを求められる分野でうまくやっていくことをめざす。
- 2 他の人びとのやる気をまとめあげ、チームをマネジメントすることによって大きな成果を上げることができたときに、最も大きな充実感を仕事に感じる。
- 3 自分のやり方、自分のスケジュールどおりに、自由に仕事ができるようなキャリアをめざす。
- 4 自由や自律を勝ち取るよりも、将来の保障や安定を得ることが、自分にとってはより重要なことだ。
- 5 常に自分の事業を起こすことができそうなアイデアを探している。
- 6 社会に本当に貢献できていると感じられるときにこそ、キャリアがうまくいきそうだと感じる。
- 7 難題を解決したり、とてつもない挑戦課題にみまわれた状況を打破したりできるようなキャリアをめざす。
- 8 家族とともに楽しみにしていることが犠牲になってしまう仕事に異動させられるぐらいなら、その組織をやめた方がましだ。
- 9 キャリアを通じて専門技能や職能分野の技能をすごく高度に磨きあげることができるならキャリアがうまくいきそうだと感じる。
- 10 複雑な組織を率い、大勢の人びとを左右する意思決定を自分で下すような立場をめざす。
- 11 どのような課題をどのような日程と手順でおこなうのかについて自分の思いどおりになるとき、最も大きな充実感を仕事に感じる。
- 12 安定した職務保障もなしに仕事に配属させられるくらいなら、すっぱりとその組織を離れるだろう。
- 13 他人の経営する組織でマネージャーとして高い職位につくよりも、むしろ自分の事業を起こすことを重視する。
- 14 キャリアを通じて、他の人びとのために自分の才能を役立てることができたときに、最も大きな充実感を自分のキャリアに感じる。
- 15 非常に難しい挑戦課題に直面し、それを克服できたときにこそ、キャリアがうまくいきそうだと感じる。
- 16 自分が家族がらみで望んでいることと、仕事から要請されることとがうまく両立できるキャリアをめざす。
- 17 管理者になるよりも、自分の専門職能分野で上級マネージャーになる方が、より魅力的に感じられる。
- 18 何らかの組織で管理者の立場で仕事をするときにこそ、キャリアがうまくいきそうだと感じる。
- 19 完全な自律や自由を獲得したときにこそ、キャリアがうまくいきそうだと感じる。
- 20 将来が安定していて安心感のもてる会社での仕事を求めている。
- 21 自分自身のアイデアと努力だけによって何かを創り上げたときに、最も大きな充実感を自分のキャリアに感じる。
- 22 管理者として高い職位につくことよりも、自分の技能を生かして少しでも世の中を住みやすく働きやすくする方が、もっと大切と思う。
- 23 一見解決不可能と思われた問題を解決したり、どうにもならないような局面を打開したとき、最も大きな充実感を自分のキャリアに感じる。
- 24 自分の個人的な要望、家族からの要望、キャリアに求められることをうまくバランスさせることができたときにこそ、キャリアがうまくいきそうだと感じる。
- 25 自分の専門領域からはずれてしまうような人事異動をローテーションとして受け入れるくらいなら、むしろその組織をやめる。
- 26 今の自分の専門職能領域でマネージャーになるよりも、全体の管理者として仕事をする方が魅力的だと思う。
- 27 将来が保障された安心なことよりも、規則や規制にしばられず、自分のやりたいように仕事できるチャンスが大切だと思う。
- 28 収入面、雇用面で完全に保障されていると感じられるときに、最も大きな充実感を仕事に感じる。
- 29 自分自身の生み出した製品やアイデアで何かを創り出し、軌道にのせたときこそ、キャリアがうまくいきそうだと感じる。
- 30 人類や社会にほんとうの貢献ができるキャリアをめざす。
- 31 自分の問題解決能力、競争に打ち勝つ能力をフルに生かせる挑戦機会を求めている。
- 32 マネージャーとして高い地位につくことよりも、自分の個人的な生活と仕事生活の両方をうまくバランスさせるほうが大切だと思う。
- 33 自分独特の技能や才能を活用できたときに、最も大きな充実感を仕事に感じる。
- 34 管理者になるコースから外れてしまいそうな仕事をやらされるぐらいなら、そんな組織はやめてしまう。
- 35 自律して自由に行動できないような仕事につくくらいなら、そんな組織はやめてしまう。
- 36 将来が保障され安心感をもって仕事に取り組めるようなキャリアをめざす。
- 37 自分自身の事業を起こし、それを軌道にのせることをめざす。
- 38 他の人びとの役に立つために能力を発揮することができないような配属を拝受するぐらいなら、その組織をやめたいと思う。
- 39 ほとんど解決できそうもない問題に挑戦できるということは、マネージャーとして高い地位につくことよりももっと大切である。
- 40 自分個人や家族の関心事にあまりマイナスの影響がないような仕事の機会をいつも求めている。
次に、以下の質問項目の点数を足します。
- 専門性=1、9、17、25、33
- 管理者=2、10、18、26、34
- 自立・独立=3、11、19、27、35
- 保障・安定=4、12、20、28、36
- 起業家的創造性=5、13、21、29、37
- 奉仕・社会貢献=6、14、22、30、38
- 挑戦=7、15、23、31、39
- ライフスタイル=8、16、24、32、40
※さらに1~40の質問項目のうち、特に自分にぴったりだと思った3項目について4点をプラスする(たとえば、質問項目の9、19、35が上位3つに入るのであれば、さらに4点をプラスする)。
特に、当てはまった質問項目に4点を加えることを忘れないでください。
最終的に、合計点数が高かったものが、あなたの仕事の価値観です。
仕事の価値観診断8タイプ
8タイプの仕事の価値観をまとめると次のようになります。
【仕事の価値観診断8タイプの特徴】
- 仕事の価値観診断1 専門性:職人タイプ。自分の専門性や技術が高まることを強く望む。
- 仕事の価値観診断2 経営管理:経営者タイプ。組織の中で責任ある役割を担うことを望む。
- 仕事の価値観診断3 自律・独立:一匹狼タイプ。独立した生活をすることを望む。
- 仕事の価値観診断4 安定・保障:公務員タイプ。安定的に1つの組織に属し、勤め上げることを望む。
- 仕事の価値観診断5 起業家的創造性:起業家タイプ。クリエイティブに新しいことを生み出すことを望む。
- 仕事の価値観診断6 奉仕・社会貢献:ボランティアタイプ。才能や有能な分野よりも社会に貢献することに価値を見出す。
- 仕事の価値観診断7 挑戦:チャレンジャータイプ。不可能と思えるような障害を乗り越えようとする。
- 仕事の価値観診断8 ライフスタイル:ワークライフバランスタイプ。家族、仕事、プライベートのバランスを考える。
あなたが見ていくのは、診断結果で一番高かったところだけ確認すればOKです。
もし点数が2つとも同じだった場合は、2つの選択肢を迫られたときに自分はどっちを選ぶかで判断してください。
たとえば、「会社に残るか起業するかなら自分はどっちを選択するかな?」とかですね。
では、8タイプの仕事の価値観について具体的に解説します。
仕事の価値観診断①専門性
1つ目の仕事の価値観タイプは「専門性」です。
いわゆる職人タイプです。自分の専門性や技術が高まることを強く望みます。
たとえば、
- 研究者であれば専門知識を高める
- 教師であれば分かりやすく伝える能力を上げる
- 営業であればセールス能力を高める
自分のスキルを高めることを通じて、「これが自分らしい生き方だ」と思います。
つまり、スペシャリストになることとアイデンティティが一致しているタイプです。
なのであれもこれも試すよりも、このタイプは1つを極めたほうがいいですね。
専門性タイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【専門性タイプの特徴】
- 自分の才能を発揮し、専門性を高めることに満足感を覚える。
- 他の分野に異動が命じられると満足度が低下する。
- 管理職になることに価値を置かない。
- 自分の専門性が試される挑戦的な仕事を好む。
- 目標設定に積極的。
- 経費をおさえようとする管理職と対立しやすい。
- 固定給を嫌う。
- 給料が上がるよりも、プロや専門機関から認められることを望む。
- 能力を極めるためにお金を使う。
【専門性タイプに向く環境】
- 自分の能力やスキルを試せる。
- 仕事を順調に進めるのに必要な設備、予算、その他すべての資源がそろっている。
- 全体の管理者ではなく、個人の指導者やメンター的な立場がとれる。
- 自分の能力や経験に合った報酬が得られる。
- ボーナスなどのもらえる報酬額に明確な基準がある。
- 専門領域をもっと勉強でき、自己啓発できる機会が与えられている。(図書館がある、自習室があるなど)
仕事の価値観診断②経営管理
2つ目の仕事の価値観タイプは「経営管理」です。
1つ目の専門性タイプとは対照的に、全体のマネジメントを望みます。
また、管理職など会社のなかで出世したり、重い地位についたりして出世するとやる気が上がります。
肩書や部下の数も重視するので、中小企業よりは大企業での仕事を強く望みます。
1つの部署にとどまるより、頻繁に異動したいと考えます。
理由は、「何年も同じ部署にいるのは、自分が仕事で十分な成果をあげていない証拠だ」と考えているからです。
大きな仕事を任されたいタイプなので、若かったとしても大事な商談に同席したとか、重要なプロジェクトに一緒に携われると燃えます。
対人スキルが高いので、上司や先輩の期待に応えるのも得意です。
職人のように出世に長い年月がかかるものを嫌うので、どんどん出世できるような環境が向いています。
経営管理タイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【経営管理タイプの特徴】
- 集団をまとめるような仕事を望む。
- チームの目標達成のため、影響力を発揮し、リードするのが大事だと考える。
- 上司や先輩の期待に応えるのがうまい。
- 挑戦的で変化の激しい仕事を好む。
- 会社の中で昇進し、重い責任ある地位につくことを望む。
- 組織全体の方針を決定し、自分の努力によって組織の成果を残したいと考える。
- 分析力、判断力、課題発見力、問題解決能力を重視する。
- 専門の仕事に特化しすぎるのは良くないと考える。
- 大きな決断を迫られる場面が多いため、決断力を大切にする。
- 仕事の魅力は、自分の仕事がどれだけ組織全体の成功に重要なのかで評価する。
【経営管理タイプに向く環境】
- 大企業。
- 高給である。
- 異動が多い。
- 昇進までの年数が明確に決められている。(課長、部長になるまでの年数)
- チーム作業が多い。
- スピード出世が認められている。
- 昇給やボーナス、退職金など、金銭的な報酬が充実している。
- 昇進の評価に「成果を上げる能力」が含まれている。
仕事の価値観診断③自律・独立
3つ目の仕事の価値観タイプは「自律・独立」です。
いわゆる一匹狼タイプですね。
会社の中に所属できないことはないですが、公務員のようにルールにガチガチに縛られるような会社には喜びを見出せません。
誰が作ったのかよくわからない他人のルールに従うのも嫌いです。
上司から色々指示されるのも嫌で、仕事は自分のやり方で進めたいと考えます。
たとえば、毎月の業績目標があったら、その目標を達成するまでのプロセスは任せてほしいという感じです。
「会社を継ぐのが条件なら親の財産なんていらない!」と断言できるタイプでもあります。
自律・独立タイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【自律・独立タイプの特徴】
- 他人のルールに縛られるのが嫌い。
- 集団行動が苦手。
- 自分のやり方や自分のペースで仕事ができないと我慢できない。
- 組織での生活は制約が多く、自分のプライベートを侵害するものと考える。
- 自分でスケジュールできる専門職の仕事を好む。
- 他人に指図されるのが嫌い。
- 組織の決める目的やめざす目標には同意しても、目的設定後は自分に任せてほしいというのが本音。
- 成果に見合う業績給やボーナス、賞状などを望む。
- たとえ給料が上がっても自由度が失われるのであれば、昇進も断る。
【自律・独立タイプに向く環境】
- 仕事のやり方が任されている。
- 自由度が高い(テレワーク、フレックスタイム制、会議の参加は任意など)
- 自分の意見がすぐに反映されやすい。(近くに認めてくれる先輩や上司がいるなど)
- 自律的に仕事ができる。(研究開発、データ処理、分析など)
- 報酬のタイプを自分で選べる。(成果給にするかなど)
- 過去の業績が昇進に反映される。
仕事の価値観診断④安定・保障
4つ目の仕事の価値観タイプは「安定・保障」です。
公務員のように、1つの組織に入って、定年まで問題なく働きたいと考えます。
3つ目の自律・独立タイプが自由を求めるのに対して、安定・保障タイプはとにかく安定した生活を望みます。
仕事を選ぶときも、やりがいを感じるかとか、面白そうかどうかはあまり重要視しません。
それよりも、
- 給料は必ずもらえるのか
- 福利厚生がしっかりしているのか
- 20年後もクビにならないか
など、労働条件を最優先します。
安定・保障タイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【安定・保障タイプの特徴】
- お金が保証されるなら時間に縛られても構わないと思う。
- 会社の指示に積極的に従う。
- 安全を確保できれば、役職のレベルは関係なく満足できる。
- 忠誠心が高い。
- じっくり考えてから行動する。
- 基本的にリスクは負わず、回避しようとする。
- 才能が職場で生かせられなくても、仕事以外で発揮できればいいと考える。
【安定・保障タイプに向く環境】
- 行政機関、公共的な機関。
- 変化のない仕事。
- 10年後、20年後のキャリアが予測しやすい。
- 保険や退職金など福利厚生が充実している。
- 年功序列、終身雇用制を採用している。
- 等級や上下関係がはっきりしている。
- 作業手順書など明確なマニュアルが作成されている。
仕事の価値観診断⑤起業家的創造性
5つ目の仕事の価値観タイプは「起業家的創造性」です。
起業家的創造性タイプは、新しいことを作ることに喜びを感じます。
起業して新商品を開発したり、自分のアイディアを創るのが好きなタイプです。
起業というと、会社や時間に拘束されるのが嫌で独立したいからと考える人もいるかもしれません。
ですが起業家的創造性タイプは、いろいろ試してみたいという熱い気持ちで新しい事業をスタートします。
自由な時間とか安定を犠牲にしてでも、起業への活動に全力投球します。
それが自律・独立タイプとの違いですね。
起業家的創造性タイプは新しい事業を始めることに価値を置いてるので、立ちあげた会社が一度成功したら、売却してまた新しく会社をつくったりします。
起業家的創造性タイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【起業家的創造性タイプの特徴】
- 新しいものを生み出すのを好む。(新事業、新商品、新サービスなど)
- 10代など早い時期から起業の夢を抱く。
- 古いやり方や体質が苦手。
- 飽きっぽい。
- 新製品を開発したら特許権を取得することを望む。
- キャリアのどの時点でも、必要に応じてどこへでも移りたいと考える。
- 世間から広く認められることを望む。
【起業家的創造性タイプに向く環境】
- 起業する。
- オーナーになる。
- 社内ベンチャー。
- 研究開発関係のトップまたは取締役の会長になる。
- 短期で終えられる事業。
- SNSの世界で発信する。
- 0から1を創ったあとに、1を10にできる人と組む。
仕事の価値観診断⑥奉仕・社会貢献
6つ目の仕事の価値観タイプは「奉仕・社会貢献」です。
奉仕・社会貢献タイプは、世の中が良くなるような活動をしたり、他人をサポートすることに喜びを感じます。
自分が社会や誰かのために貢献することを重要視するので、給料が高くなくても自分の価値観と合っていればその会社で働こうとします。
人から受け取るよりも、多くを与えようとするギバーのようなタイプです。
自分の専門外なことであっても、相手を助けることができるなら一生懸命サポートしようとします。
奉仕・社会貢献タイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【奉仕・社会貢献タイプの特徴】
- 世の中を良くしたいと考えている。
- 他人をサポートすることに喜びを感じる。
- 不正を嫌う。
- 給料よりも影響力の高さを重要視する。
- 同じ専門職の仲間や上司から認められ、支持されることを望む。
- 地位や報酬にこだわらない。
【奉仕・社会貢献タイプに向く環境】
- 自分の価値観と組織の価値観が一致している。
- 人を助ける専門職(医療、看護、社会福祉事業、教育、NPO法人など)
- コンサルティングなど自律的な仕事。
- 昇進の制度が、自分の貢献度によるものとなっている。
- 直接感謝されやすい仕事(逆に製造や配達など直接感謝されにくい仕事は避ける)。
仕事の価値観診断⑦挑戦
7つ目の仕事の価値観タイプは「挑戦」です。
このタイプは、エジソンみたいに不可能と思えるような目標を設定して何度も挑戦します。
周りから「これはさすがに無理だ!」と否定されても、困難を超えようとチャレンジするタイプです。
ジャンプの主人公みたいな野心を持って、大きな壁を乗り越えようとします。
自分の専門外であっても関係ありません。まったく未経験の仕事も物怖じせずやります。
特に競争相手がいたり、いろんな経験やバリエーションを増やしたりすると燃えるタイプです。
挑戦タイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【挑戦タイプの特徴】
- 大きな目標を達成する自信がある。
- 成功は、不可能と思える障害を克服することと考える。
- 上達するとさらに上を目指そうとする。
- より困難な問題に直面するような職を探す。
- 専門分野関係なく挑戦しようとする。
- 勝負事を好む。
【挑戦タイプに向く環境】
- 競争相手がいる。
- 高度な戦略が必要な経営コンサルタント。
- 自分の力を試す場面が多い。
- 格闘家やスポーツ選手など勝ち負けが明確なもの。
- 一度成功したら新たなフィールドに移る。(同じ職場は避ける)
- リスクを取って行動することが許されている。
仕事の価値観診断⑧ライフスタイル
最後、8つ目の仕事の価値観タイプは「ライフスタイル」です。
いわゆるワークライフバランスを重要視するタイプです。
仕事も大事にしたいけど、家族のことも大切にしたい、できれば自分の時間もほしいと考えます。
そのため、何か特定のことだけにエネルギーを使うのは避けようとします。
たとえば、仕事のために家族や自分の時間を犠牲にできないと考えます。
なので、子供と一緒にいれるように在宅勤務がOKな仕事とか、都合に合わせて柔軟に出勤時間を変えれるフレックスタイム制がある会社を好みます。
自分のプライベートや家族の時間もしっかり確保されていると、仕事にも一生懸命になれるタイプです。
バランスの割合ですが、人によって異なります。
たとえば、自分の時間は最低限あればいいかなというタイプであれば、
- 仕事4割、家族5割、プライベート1割
みたいになります。
人によってどの配分が一番バランスがとれるのかは異なるので、自分に合ったバランスを把握しておくとベストです。
ライフスタイルタイプの特徴と向いている環境をまとめると、次のようになります。
【ライフスタイルタイプの特徴】
- 特定のことを優先せず、仕事、プライベート、家族の時間のバランスをとろうとする。
- 組織のために働くことに前向きに考えている。
- 転勤に消極的(家族に影響を及ぼすため)
- 仕事やプライベートを混合せず、明確に区別している。
【ライフスタイルタイプに向く環境】
- 自分の都合に合わせた働き方が選択できる。(家族のために異動を拒否できる。正職員からパートにシフトできるなど)
- 自由度が高い(テレワーク、フレックスタイム制など)
- 会社が個人と家族の時間を尊重している。
- 従業員同士で仕事以外の話ができる。
- 地域をまたぐ異動がなくても、昇進できる制度を採用している。
- 急な有休申請にも対応してもらえる。
仕事の価値観診断結果は、同じ業種でも異なる
仕事の価値観診断の面白いところは、職業が同じでもタイプが違うとアプローチが異なる点です。
たとえば、本の出版で考えてみると、次のような感じになります。
(例)本の出版
- 専門性:文章スキルを上げまくって良い本を出そう。
- 経営管理:ジャンルごとに専門のライターに外注して1つにまとめよう。
- 自律・独立:もう会社に縛られるのは嫌だから自分の力で稼ごう。
- 安定・保障:老後も安定的な収入がないと不安だから今で本を出版しよう。
- 起業家的創造性:文字を読まなくても本が読める方法はないか。オーディオブックはどうだろう?
- 奉仕・社会貢献:貧しくて本が買えない人に少しでも安く本を届けたい。
- 挑戦:歴代の出版記録を超えてやる!
- ライフスタイル:家族との時間も大事にしたいから、家で働ける作家になろう。
同じ本の出版でも、仕事の価値観タイプによってアプローチが違うことがわかります。
他に例をあげると、
- 起業家的創造性タイプは、いろいろ試してみたいから起業し、自律・独立タイプは、時間に縛られたくないから起業する。
- とにかく美味しいケーキを作ろうとするのが専門性タイプで、美味しいケーキがあるなら多店舗展開して組織を作ろうと考えるのが経営管理タイプ。
- 安定・保障タイプは、解雇されるリスクを避けたいから公務員になろうと考え、福利厚生がしっかりしてるからワークライフバランスできると考えるのがライフスタイルタイプ。
みたいになります。
必ずしも職業によって仕事の価値観が決まるわけではないんですね。
自分の仕事の価値観タイプが分かれば、どの業種であっても自分の人生に合ったやり方を考えることができます。
もちろん、自分の価値観に不向きな職業もあるので、その際は転職するとか起業するとかで対応すればOKです。
仕事の価値観診断まとめ
仕事の価値観診断8タイプの特徴と向いている環境まとめです。
- 仕事の価値観とは、自分が仕事をするうえで軸にしている価値観をいう。
【仕事の価値観診断8タイプの特徴と理想の環境】
- 仕事の価値観診断1 専門性:職人タイプ。自分の専門性や技術が高まることを強く望む。自分の能力を試せる機会があり、スキルや経験にあった報酬が得られる環境が向いている。
- 仕事の価値観診断2 経営管理:経営者タイプ。組織の中で責任ある役割を担うことを望む。チーム作業が多く、昇給やボーナス、退職金など、金銭的な報酬が充実している環境が向いている。
- 仕事の価値観診断3 自律・独立:一匹狼タイプ。独立した生活をすることを望む。仕事のやり方や時間を自分で自由に決めることができる環境が向いている。
- 仕事の価値観診断4 安定・保障:公務員タイプ。安定的に1つの組織に属し、勤め上げることを望む。保険や退職金など福利厚生が充実しており、仕事のやり方が明確な基準で決められた環境が向いている。
- 仕事の価値観診断5 起業家的創造性:起業家タイプ。クリエイティブに新しいことを生み出すことを望む。起業家やオーナーになるなど自分の権限で自由に試せる環境が向いている。
- 仕事の価値観診断6 奉仕・社会貢献:ボランティアタイプ。才能や有能な分野よりも社会に貢献することに価値を見出す。自分の価値観と組織の価値観が一致している環境が向いている。
- 仕事の価値観診断7 挑戦:チャレンジャータイプ。不可能と思えるような障害を乗り越えようとする。勝ち負けが明確で、競争相手がいる。リスクを取って行動することが許されている環境が向いている。
- 仕事の価値観診断8 ライフスタイル:ワークライフバランスタイプ。家族、仕事、プライベートのバランスを考える。自分の都合に合わせた働き方が選択できる環境が向いている。
※同じ業種でも仕事の価値観診断は異なる。(必ずしも職業によって仕事の価値観が決まるわけではない)。
こうしてみると、仕事の価値観にはいろいろあるんだなという感じですね。
仕事の価値観で考えると、安定した仕事をするだけが正しい選択肢ではないことが分かります。
あなたが仕事をしていて「なんか違うな」と感じるのは、仕事の価値観に沿った行動ができていないからです。
例えば、
- 自分のスケジュールで生活する自律・独立タイプだと思ってたけど、プライベートがちゃんと充実してるなら仕事も頑張れるライフスタイルタイプだったなって思う。
などです。
理想と自分に向いている生き方は違います。
大事なのは、自分の仕事の価値観タイプに合った行動をすることです。
すると、仕事や生き方に迷わなくなります。
なので仕事に悩んだら自分の価値観の原点に戻るといいですね。「自分はルールに縛られるのが嫌で自由にやりたい自律・独立タイプだったな」とか。
仕事の価値観がについては、エドガー・E・シャインの『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』がお勧めです。
自分が仕事をするうえでいったい何を大事にしたいかを深掘りできます。
特に転職しようかどうか、起業するべきかどうかなど人生の大きな選択肢で迷っている人に向いています。
自分の軸をさらに深く知って方向性をはっきりさせたい方だけ読んでみてください。
仕事の価値観診断に関するよくある質問
自分が仕事で軸にしている価値観って変わることはあるんですか?
基本的には変わらないと考えていいと思います。
追跡調査の例は少ないですが、仕事の価値観はほぼ安定していたとの結果が出ていたので。
点数が同点だった場合は、自分の仕事の価値観は2つあるってこと?
仕事の価値観は1つのみと定義されています。
同点だった場合は、2つの選択を迫られたら自分はどれを選ぶかと考えると答えが見えてきます。(専門職を続けるか、管理者になるかなど)
【参考文献・データ等】
- エドガー・E・シャイン『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』
- Rodrigo Cunha da Silva, et al(2016)Career anchors and values from different career management perspectives. Revista Brasileira de Gestao de Negocios 18(59):145-162 DOI:10.7819/rbgn.v18i59.2260 LicenseCC BY 4.0
【記事執筆】あすか
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