繊細なHSPの人が持つ知られざる能力
HSPの割合は5人に1人

HSPが持っている知られざる能力について解説します。
ロンドンブーツの田村淳は以前、自身がHSPだということを明かしたことで、少しずつHSPに対する理解が広がりつつあります。
簡単にいうとHSPとは「とても繊細な人」のことをいい、心理学者エイレン・N・アーロンが提唱した概念です。
心理学ではハイリー センシティブ パーソン(Highly Sensitive Person)といって、その頭文字をとってHSPと呼ばれています。
HSPは全体の約20%、つまり5人に1人はいるといわれ、意外と身近に存在してたりします。
有名人で言えば田村淳の他にも、歌手の宇多田ヒカル、作家のピース又吉や村上春樹もHSPだとされています。
HSPは周りよりも光や音に敏感であったり、人の心に共感しやすかったりする特徴をもっています。
ほとんどの人は100の刺激に対して5とかしか気づかないのに対し、HSPは70とか80も気づくことができます。
これまでHSPはどちらかというと自分に自信がないとか考えすぎだとかネガティブ思考だとか、マイナスなイメージとして説明されることが多いものでした。
もしかするとあなたも、自分には「対人関係が苦手で欠陥がある」とか「自分がきっと間違っていたんだ」と思って辛く苦しい気持ちでいるかもしれません。
ですが近年HSPは、才能や直感力に恵まれていることが明らかになるなど、HSPの人が突出してもつ能力が評価されています。
そこで今回は、HSPの人が持っている知られざる能力について解説します。
ちなみに自分がHSPなのかどうか分からない方は、以下の記事でHSPかどうかわかる診断をまとめたので気になる人は見てみてください。
HSPの人が持つ能力

HSPには、次のような能力があることが分かっています。
①本質を見抜く力がある
②アイデアを思いつく才能がある
③共感力が高いので人の気持ちが分かる
④予測して備える力が高い
⑤集中力が高いので上達が早い
順に解説していきます。
①本質を見抜く力がある

HSPの人が持つ能力1つ目は「本質を見抜く力がある」です。
物事の見えていない部分まで見抜くことができる力のことをいいます。
洞察力に優れているHSPは、ちょっとした言葉や表情から、相手の気持ちや考えていることに気づくことができます。まるでエスパーみたいな能力ですね。
この能力を使えば、例えば職場の対人関係に役立てることができるようになります。
Aさんはこの部分についてストレスを感じているから、このように行動すれば問題は出てくることはないだろう…。
Bさんはあの状況についてイライラするから、先にああしておけば大丈夫だろう…。
など、HSPは事前に対策を立てることができます。
よく優秀な人というと、問題が起きた時にそれを解決する能力のある人がイメージされます。AさんとBさんが喧嘩をしていて、その間に入って仲裁できる人がそうですね。
もちろんそういった問題解決能力が高い人も優秀ではありますが、それよりも凄いのはそもそも問題を発生させない能力です。
炎上してから消化するのではなく、HSPの人は先にその火種を見つけていつの間にか鎮火させている。
これはなかなか周りからは見えにくく、非常に大事なのに分かりにくいものではあるのですが、この対人トラブルといった問題を発生させない能力をもっているのがHSPです。
②アイデアを思いつく才能がある

HSPが持つ能力の2つ目は「アイデアを思いつく才能がある」です。
HSPは上司から言われたことだけすればいいとか、前回もこうだったから今回も同じようにすればいいとは考えません。
これだけじゃなく更にこれをすればもっと改善するとか、新しくこれを創ればもっと仕事が楽になるのではないかとアイデアを考えます。
つまり、職場の問題点を見つけ、あるべき未来の姿を具体的にイメージすることができます。
例えば、去年と同じようなファイルの閉じ方で見つけたいものが見つからずに困っている人をヒントに、改善点を見つけて修正することができます。
これは1つ目で紹介した「本質を見抜く力」にも繋がりますが、HSPはそもそもの問題点を見つけるだけではなく、これを解決するための方法について「創造力」を使って解決しようとします。
③共感力が高いので人の気持ちが分かる

HSPが持つ3つ目の能力は「共感力が高いので人の気持ちが分かる」です。
HSPは共感能力が高いので,他人に感情移入することができ、人間関係で相手の心を掴むのが得意です。
相手の気持ちを感じとって行動することができるため、相手からは気配り上手だと思われ、感謝されやすい傾向にあります。
また、人格や理解度にもシンクロすることができるので、相手に合わせた発言や接し方を柔軟に変えることができます。
意外にHSPはコミュニケーション能力が高いので、人と仲良くなりやすいという特徴をもっています。
ただ、このような相手の気持ちに共感する能力は非常にエネルギーを消費するものでもあります。
そのため、ときどき小休憩をはさむとか、一人になる時間を作るなどでして、自己管理する必要があります。
④予測して備える力が高い

HSPが持つ4つ目の能力は「予測して備える力が高い」です。
仕事を進めていく際には、大きく「行動してから考える」タイプと「考えてから行動する」タイプの2つに分かれます。
スピード感を重視するような状況では前者の方が向いているのですが、危機管理の観点でいうと後者の方が圧倒的に効果が高いです。
HSPはこの「考えてから行動する」方法をよくとります。
例えば、会話をはじめる前には、複数のパターンをあらかじめ想定します。
「もし相手がノーと答えたら、ああ言って、こう言おう。相手がイエスと言ったら、こう話してみよう。相手が喜んだら、今度は…」
そんな風に、HSPは失敗した場合はどうするかまで綿密に考えてから行動するのでミスが少ない傾向にあります。
集団を相手にした説明会やプレゼンなどでも、いろんなハプニングを想定し、それぞれのパターンに対してどう対応するのかということまで考えることができます。
何度も繰り返しイメージして、成功の確率を上げていきます。これは本番の直前までイメージトレーニングが繰り返されます。
その甲斐もあって結果的に周りからは「今回のプレゼン良かったよ」と褒められ、感謝されることが多いです。
⑤集中力が高いので上達が早い

HSPが持つ5つ目の能力は「集中力が高いので上達が早い」です。
HSPは、ものすごく物事にのめり込む力があります。そのためほかの人よりも上達が早い傾向にあります。
HSPはのめり込むと新しいことを学習する力が2倍になることが分かっています。
しかし一方で、一度方向性を決めたら突き進みすぎるところがあるので、たまに歯止めが効かなくなってしまうことがあります。
時々立ち止まりながら、うまく自分をコントロールする必要があります。
ちなみに、集中力をもっと上げる方法については「【超効率アップ!】集中力を激上げする5つの方法」をご覧頂ければと思います。
まとめ:HSPはどの職場にも必要な存在

もう一度HSPの能力をまとめると次のような感じです。
①本質を見抜く力がある
②アイデアを思いつく才能がある
③共感力が高いので人の気持ちが分かる
④予測して備える力が高い
⑤集中力が高いので上達が早い
もう成功する人の特徴としかいえないですね。
HSPは才能に恵まれていることが多く、顧客のニーズや職場の問題点などに気づくことができ、会社に対して良い影響を与えることができます。
ただ一方で、HSPはハイパフォーマーであるためにエネルギーの消耗も人一倍激しいところもあります。
HSPは、ポジティブな情報だけではなく、ネガティブな情報も大量に受け取ってしまいます。
そのため仕事の終わりには、あなたはいつも精神的に疲れてしまっているのではないでしょうか?
気力がなくなってしまってはせっかくの能力も発揮できませんよね。
そこで次回は、HSPの人がエネルギーを必要以上に消耗せず過ごす方法や、向いている職業などについても解説ができたらと思います。
HSPに関するよくある質問

HSPは発達障害ですか?

HSPは発達障害ではありません。
HSPは生まれながらに持っている気質のことをいいます。
たとえば肌の色が白いとか背が高いとかなどの身体的特徴と同じ性質のもので、約半分が遺伝によるものとされています。
なので敏感すぎる特性をどう治すかは間違った思い込みで、その気質をどう活かすかが大事になっていきます。

HSPってあんまり人と関わりたくない?

実は人間好きで社交的な人の方が割合は高いです。
HSPが休憩中や仕事が終わった後あまり人と関わらないことが多いのは、その日の出来事などを1人で処理する時間が必要だからです。
人と集まるのは好きなのに突然1人で過ごしたくなる時がある。この二面性をもっているのがHSPです。
【参考文献・データ等】
・エレイン・N・アーロン『敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術』
・イルセ・サン『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』
・時田ひさ子『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』
【記事執筆】あすか
【Twitter】:https://twitter.com/askalabo