仕事の満足度診断ーたった9つの質問で分かるワークエンゲージメントー
今のあなたの「仕事の満足度」をたった9つの質問で数値化する方法を紹介します。
この記事は、次のような悩みを抱えている人に向いています。
- 自分はやりがいを感じているのか分からない
- 他の人より良い職場で働いているか気になる
- この仕事を辞めて転職するべきか考えている
仕事の満足度については多くの方が「なんとなくイメージできるけど、具体的にはわからないな…」と感じていると思います。
そこで今回は、世界的に広く使われている「科学的根拠」に基づいた「仕事の満足度診断」を紹介します。
この「仕事の満足度診断」は、ユトレヒト大学の組織心理学教授ウィルマー・B・シャウフェリ博士が提唱した方法です。
簡単にできるタイプと正確に行うタイプの2つがありますが、今回は9つの質問で簡単にできるバージョンを使ってあなたの「仕事の満足度」を数値化します。
仕事の満足度診断を受ける
では早速シャウフェリ博士が提唱した「仕事の満足度」診断をやっていきましょう。
質問は全部で9つあります。
紙とペンを用意し、それぞれ0点から6点満点で採点してみてください。
【9つの質問でわかる仕事の満足度診断】
※ 採点基準
0点:全くない
1点:ほとんど感じない(1年に数回以下)
2点:めったに感じない(1 ヶ月に1回以下)
3点:時々感じる(1 ヶ月に数回)
4点:よく感じる(1週間に1回)
5点:とてもよく感じる(1週間に数回)
6点:いつも感じる(毎日)
- 1 朝起きると仕事へ行こうと気持ちが高まる
- 2 仕事中は、活力がみなぎるように感じる
- 3 職場では元気・精力的になるように感じる
- 4 仕事に熱心である
- 5 仕事は、私に活力を与えてくれる
- 6 自分の仕事に誇りを感じる
- 7 仕事に没頭しているとき、幸せだと感じる
- 8 私は仕事にのめり込んでいる
- 9 仕事をしているとつい夢中になってしまう
採点が終わったら、次のように項目の平均値を出します。
- 活力=1~3の平均を出す
- 熱意=1~3の平均を出す
- 没頭=7~9の平均を出す
- 仕事の満足度(ワークエンゲージメント)=1~9の平均を出す
たとえば【活力】の質問項目の値が
1=4点、2=3点、3=2点であれば、
【活力】の平均は
(①4点+②3点+③2点)÷3=平均3点
になります。
仕事の満足度:職業別スコア
日本の職業別「仕事の満足度」診断のスコアは、上図のとおりになります。
平均スコアよりも低いなら、今の仕事について見直す必要がありそうです。
なお、日本人のスコア平均は「3.42」となってます。
この平均スコアよりも高いのかそうでないかで判断するのもありですね。
ちなみに「仕事の満足度」診断の結果を見ると、人を相手にするような業種や複雑な業務があるほど比較的高い傾向にあるようです。
実際、学校の先生や保育士などの「教育関係」は「3.94」、「接客・サービス業」は「3.52」という結果です。
フロリダ州立大学の研究でも、仕事内容にバリエーションがあるほど「仕事の満足度」が上がることが分かっています。(R)
単純作業が多い業種であれば、業務の幅を広げたり、接客など複雑な仕事も取り入れてみるといいかもしれません。
仕事の満足度は「活力」「熱意」「没頭」で決まる
ちなみに今回仕事の満足度診断ででてきた「活力」「熱意」「没頭」は次のように定義されています。
- 活力:仕事から活力を得ていきいきしている
- 熱意:仕事に誇りとやりがいを感じている
- 没頭:仕事に熱心に取り組んでいる
組織心理学者のシャウフェリ博士は、仕事の満足度に関連するポジティブで充実した心理状態として、上の3つを定義しました。(R)
この3つをまとめて、専門用語では「ワークエンゲージメント」と呼びます。
「ワーク・エンゲイジメント」が高い人ほど、仕事にやりがいを感じ、熱心に取り組み、さらに活力を得て生き生きとした人生を送っています。
ワークエンゲージメントが高い人は「とても幸せな人」ということですね。
まとめ:定期的に診断して改善点を知ろう
仕事の満足度(ワークエンゲージメント)についてまとめると次のようにな感じになります。
【仕事の満足度診断まとめ】
- 仕事の満足度(ワークエンゲージメント)は「活力」「熱意」「没頭」の3つで決まる
- 日本人の平均スコアは、6点満点中「3.42」
- 仕事の満足度は、人を相手にするような業種や複雑な業務があるほど比較的高い傾向にある
このような「仕事の満足度診断」は、改善点を把握するなどに使えます。
満足度は環境の変化や状況によって変動するため、3か月ごとなど定期的に診断するといいですね。
ぜひ定期的にチェックしてみてください。
今回は簡単にできる診断を紹介しましたが、鈴木祐『科学的な適職』では、更に精度の高い64問バージョンの「仕事の満足度診断」が紹介されています。
アマゾンのkindle Unlimitedで無料で読めるので、より詳細に判断したい方はお勧めです。
【参考文献・データ等】
- 鈴木裕『科学的な適職』
- 厚生労働省「労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」
- Wilmar B. Schaufeli, Marisa Salanova, Vicente González-romá & Arnold B. Bakker.,The Measurement of Engagement and Burnout: A Two Sample Confirmatory Factor Analytic Approach
- Ashley E. Nixon., et al Can work make you sick? A meta-analysis of the relationships between job stressors and physical symptoms
【記事執筆】あすか
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